四則演算に慣れる!日常での具体的な声かけ/おうちで今すぐ実践できる!ずーさんの算数子育て術Vol.05「四則演算【後編】」

こんにちは!
mathchannel編集部のずーです。

子どもの算数センスを磨く声かけ・働きかけのコツをお伝えしていきたいシリーズ第5段!
ということで、今回は前回の続きになります、四則演算【後編】です。
よろしくお願いします!

前回は、四則演算について、「記号」や「式」を用いる前にそれぞれの場面に慣れたいよね。
なんでそれが必要かっていうと……というお話をしました。

では!

その場面って!

いったい日常生活のどこにあんねん!?

というわけで、四則演算のそれぞれ、たし算・ひき算・かけ算・わり算について
具体的な場面を紹介していきたいと思います。

それでは、さっそくいきましょう!

一番とっかかりやすいのはわり算かも!

まず、日常で比較的よく使うのはわり算かな、と思います。
等しくわける必要があるときに出てきますね。

わが子はよくマクドナルドで15ピースのチキンナゲットを買った時に、誰が言うでもなく考えてました(笑)

チキンナゲットのイラスト | 商用OKの無料イラスト素材サイト ツカッテ
15っていうのがまた、子どもが考えるのにちょうどいい数なんですよね~

声掛けとしては、ナゲット同様、おやつの時間におかしを分ける時などに

たとえばこんなお菓子!

「1人何個ずつ食べられそう?」

と言ってみたり、
夕飯の支度でミニトマトなど

数えやすいものがある時に
1人1人のお皿へ配るのを手伝ってもらい、

「同じ数ずつ入れておいて」

などオーダーするのがよいです。

コロッケや揚げもいいですね

(大人と子どもで量が違う時は分けてもらったあと、さらに揚がったものを大人のに足したりしてました)

わり算には、「あまり」がつきもの

その際、わり算はあまりが出ることがありますが、
「これをくばると他の人がたりなくなっちゃうから、もうわけられないね」
「じゃあ、これはあまりだね」
など、

・ぴったりわけられないことがある
・その存在を「あまり」として処理する

ことは伝えておくと良いです。
学校ではあまりのないわり算→あまりのあるわり算の順に学習しますが、
日常ではあまりのないものばかりに出会うとは限りませんからね。
その上で、適切な人にあまりをあげてください(笑)

わり算については等分徐と包含除の2種類の場面の違いや、1単位当たりの量についての考え方にも触れたいところですが、今回はこの辺で。

まずは等分のイメージを掴めるように日常で促せたらOKです!

「ひき算」は、「いくつ足りない?」で

次に日常でふれる機会が多いのはひき算でしょうか。

「減ったらいくつかな?」よりは
「いくつ足りないのかな?」を考える場面の方が探しやすいです。

例えば。

またしても料理ネタですが……
「(たまごが5個必要で)古いたまごが2個あるから新しいパックからはあと3個とらなきゃ」とか
「(カレーを作っていて)水は650mLか…今500入れたからあと150だな」という場面で
私たちはひき算をしています。

ですから、

パパママ

冷蔵庫からたまごとってくれる?

キッズ

何個?

パパママ

えっと、5個必要なんだけど、古いのから出してね。

キッズ

(じゃあ、こっちの新しいのから3個出さなきゃな……)

とか、

パパママ

このお鍋にお水650入れといてくれる?

キッズ

(軽量カップが500までなので)無理だよ?

パパママ

まず500入れてから残りも入れといてー!

キッズ

(あと150か……)

なんて会話ができると良いですよね!

声かけのコツは、このほぼ無意識にしているだろうひき算を意識して
自分でやらずに子どもに渡すこと。です。

この感覚は計算以外でも!

これって、ひき算に限らず他の子育ての場面でも実践すると良いことありますよね。

例えば!
子どもがお茶をこぼしてしまった時。

無意識だと……

(瞬時に)ふかなきゃ!
 ↓
(と考えるのとほぼ同時で)雑巾持ってくる
 ↓
自分は動いているのに呆然としている子どもに怒りが湧いてくる
 ↓
「もう! なんでこぼすの!」
 ↓
子、次こぼした時の思うことは「ふかなきゃ!」じゃなくて「おこられる!」になる
 ↓
THE・悪・循・環☆

これが、子に渡すことを意識できると……

(パパママ)ふいたらいいよ。
 ↓
(子)そっか、ふかなきゃ。
 ↓
○○ちゃんは濡れてない? 大丈夫? という優しい言葉をかけることに気をまわせる

例えば!
もう寝る時間だ!という時。

無意識だと……

(寝る時間!歯磨きしなきゃ。)
 ↓
「〇〇ちゃん、歯みがきするよ!」
 ↓
(楽しく遊んでたのに)嫌だ―!

子に渡たすことを意識できると……

「○○ちゃん、そろそろ寝る時間だよ。それ(遊び)何時にやめられそう?」
 ↓
「んー。10分!」
 ↓
「オッケー。仕上げ磨きの時呼んでなー。」
 ↓
(10分になって)子(よし、続きは明日!えっと……寝る支度か……歯磨きとトイレと……)

と、なるわけです。

え? そんな穏やかに接する余裕なんてない??
そうなんですよね~
まあ、私もひき算はともかくこんな子育てができたのは5割か……いや、3割か……むしろ2……さすがに3……
我が子がこの記事読んだら吹き出しちゃうかも(泣笑)

まあ、いいんです!
ひき算(他、四則演算)の声掛けも、頭の片隅においてできる時に実践していきましょう!!

「たし算」は、テストにしないこと

さて、お次はたし算です!
日常でたし算が出てくるのはどんな時でしょう?

こんな場面になったことはありませんか?
明日はお友達家族3組で、お弁当を持って大きな公園へ行くことになりました。
我が家は4人。1組のお友達は3人でもう1組はやはり4人で来ます。
あなたは、お弁当のおかずを買いにお子さんとスーパーへやってきました。

パパママ

明日、〇〇ちゃん〇〇ちゃんと公園に行くからゼリー買っておこうか。

キッズ

やったあ!

パパママ

(裏を見せながら)これ、何個入りかな?

キッズ

18個って書いてあるよ!

パパママ

えっと、みんなで何人になるんだっけ?うちは4人でしょ。〇〇ちゃん家は3人で、〇〇ちゃんとこは4人だから……

キッズ

7人と……11人!

パパママ

じゃあ、これで足りるね。

キッズ

え~。もっと食べたいー!

パパママ

しかたがない。2袋買おうか!

いきなり3つの数のたし算を紹介してしまいましたが、よくある場面ではないでしょうか。
ポイントとしては、子どもが答えなかった場合はさらっとパパママの方で数を言ってしまうこと。

何個入りだろう? 
 ↓
(みつけられなさそうだな)
 ↓
あ、ここに書いてある!18こだって!

全員で何人かな?4と3と4と…… 
 ↓
(子は数える気はなさそうだな)
 ↓
11人か。

という具合です。
何人かな?の問いかけは、4人と3人と4人だから何人かな?という順番にしてしまうと、テストチックになるので要注意です!独り言風なら、いいんですけどね。
この辺はテストにしない!ってこと意識してるとだんだん自然とできるようになると思います。

かけ算を最後の紹介にしたワケ

最後はかけ算!
同じものがいくつかあるときに使いますよね。

「6本入りの水を3箱買ったからストック18本増えたな~」とか
「8cmを4つ取りたいから32以上あればいっか~」とか
「アクスタ1400円かあ、メンバー分買わなやけ、8400円飛んでくな~」とか。

まあ、最後のはおいといて……
かけ算の場面はいろいろある!んですが、紹介を最後にまわしたのにはわけがあります。

それは……

どもって、かけ算できないんですよ。

いや、語弊がありまくりですね。正しくは、できないんじゃなくて……

場面と結果を結びつける

九九を知らないうちのかけ算は、かけ算ではなくたし算になってしまうのです。

ちょっと考えてみてください。
例えば、目の前にサイコロキャラメルが5箱あったとしましょう。

これですね
これですね

キャラメルは一体何個あるのか。
1箱に入っているキャラメルの数は2個なので
私たち大人は2×5=10(個)と分かりますが、九九を習ってない子の頭の中は……

数え上げや、2と2と2と2と2で10個となるんじゃないかと思います。

もちろんこのように考えることは全く悪いことではありません!
自然な発想だし、できる方法で知りたいことを知ろうとする素晴らしい姿勢です。
大事にしてください。

ただ、そんなわけでかけ算の場面については、他の四則演算と同様その場面を意識するような声かけだけではたし算でとまってしまったりするので、場面と結果を結びつけるようにしてみましょう。

例えば……

キッズ

おばあちゃんからキャラメルもらった~♪

パパママ

あ、サイコロの箱のやつだ~!よかったね!
お兄ちゃん達と3人でわけたらいいよ。

キッズ

いえーい!

パパママ

全部で何個ありそう?

キッズ

5個!

パパママ

(箱の数きた!)なので……?

キッズ

??

パパママ

キャラメルの話。1箱に2つずつ入ってるんだよね?

キッズ

ああ!
えっと、2と2と2で6個でしょ。あと8で……10個!

パパママ

お~!
2が5こで10個かあ~

こんな具合です。
数が求められた後、2つずつ入ってるキャラメルが5箱あること(かけ算の場面)にもう一度注目して、その上で10個という結果も一緒に確認すると、数のイメージが蓄積されます。

九九という魔法を使ってみせる

そして慣れてきたら、
九九についても教えていくとよいかと思います。

もちろん、教えるといってもある日突然、

パパママ

「いい?リピートアフターミー!!ニゴジュウ!!

なんて言い始めたら、子ども、ポカンとしてしまいますね。

そうではなくて、一緒にかけ算の場面を確認するような時。
例えば先ほどのキャラメルのくだりの時に、考えさせるのではなく、

パパママ

「えっと……ニゴジュウ……10個だね。

などと目の前で九九を使って魅せます。

はじめは何のこっちゃでしょうが、子どもの頭のかたすみで、

キッズ

(パパやママはなんか呪文言ってすぐ数えちゃう時があるんだよな……)

ぐらい思ってもらったらOK!

それが後々、九九へとつながっていきます。
あわせて、

「にー、しー、ろのやのとう」
「5、10、15、20、25、……」

などの数え方も使ってみせておくと、2の段や5の段の数に馴染みがでて覚えやすくなります!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

さて、前半で全体的なことをお話しますと言ったのに、結局後半で具体例を出したせいでなかなかのボリュームになってしまいました。
前半はちょっと固い話になってしまったので後半で「そういうことね~」「式の前にこんなこと意識したらいいのね~」と思ってもらえたら幸いです!!

それでは!
次回は、「100までの数」についてお話したいと思います。
お楽しみに!!

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この記事を書いた人

考えぬく力を育てる 教えてくれない算数パズル塾Pazoo 主宰。 学年や教科書内容に囚われず、算数の感覚がつかめる問題や試行錯誤を楽しむ問題を作成し、『難しい問題はラッキー』を合言葉に教室を運営している。 その他、「生きる力を育む」をコンセプトにした塾や地域の子育て支援などを通して、日々子どもと戯れている人。 math channelではコンテンツ制作に関与し、算数パズルやクイズのネタを探っている。 早稲田大学商学部卒。中3、小6&小3の子どもを育てる3児の母(photo by 大江香子)