パパママ、いつも育児お疲れ様です!
福岡で自作のテキストを使いながら算数の教室をひらいているずーさんです。
今日は、算数に楽しく触れるためにオススメしたいあるものと、
それって何を意識して作ってるの?というおはなしです。
ご家庭で算数に触れる時にもヒントにしてもらえたら嬉しいです!
主体性がカギ!
私が算数の問題を作る時にいつも気にしているのは、
できるだけ
解く必要性を感じる状況
を用意すること。そして、
自由な発想で答えを求められる
ように解答欄を広くとることです。
なぜなら、「答えを知りたい」と思わないのに求めなければならなかったり、解法を指定されてしまったら、算数への興味を失ったり、嫌だなと感じたり、そもそも算数の理解からは遠のいてしまうと考えるからです。
あなたが、ラーメンに対して「嫌いじゃないけど普段そんなに好んで食べない」という嗜好の持ち主だとして、
「ああ、なんだか今は無性にラーメン食べたい!」と思った時に食べるラーメンと、お腹がそんなにすいてなくて、ちょっとだるいし何かさっぱりしたものを軽く食べようかと思っているときに友達にせがまれて無理矢理いったラーメンでは
美味しさが違うと思うんです。
挙句の果てに、入店していざラーメンを食べよう、とりあえずナルトをいただこうかなと思って箸を手に取ったのに、
店主に「まずはスープをくらえ。一口目は何も考えず、二口目はコクを、三口目は奥にある魚介の味を感じながら飲んだ後に、麺を豪快にすするのがうちのラーメンだ!」なんて食べ方を指定された日には、
ってなりませんか?
算数も同じで、「どっちのほうがいいのかな?」とか「これってどう表現したらいいんだろう?」という問いが自分の中に生まれた時にまずは自由に触れてみてほしい!
だから、授業の中で扱う題材に対して、
求めたいと思えるようにどう導入しようかな?
なにか食いつきの良さそうな題材はないかな?とか、
求め方を紹介する前に自由に発想して解いてもらう時間を作ろうとか、
そもそも式をかかせないテキストを作ってしまおうとか、
子どもが算数の問いに対して主体的に関われるようにあれこれ工夫するわけなんですが、
その中で最近、これ、いいシチュエーションだな!と思っているのが……
……
……
……
ナゾトキ!
です。
ナゾトキなら、まずは楽しげ!
ナゾトキってあれでしょ?クイズみたいな、お遊びでしょ?
ちょっと勉強とは違うんじゃ?
と思いました?
そうなんです。エンタメです。
そこが、ポイントです。
だってエンタメだったら、初対面の印象が良さそうじゃないですか(笑)
加えてストーリー仕立ての謎解きや脱出ゲームにしてしまえば、ゴールがあるから「解きたい!」「解いて先に進みたい!」という欲求がでてきます。
もうスタートの時点でわくわくが違いますよね。
だけど、楽しいだけじゃない!
ストーリーに仕立てるのは、作問側からするととても骨が折れるのですが(笑)、
その効果たるや、なかなか絶大です。
意外とストーリーの上にどんな問題をおいても、例えばただの計算問題であっても、結構前のめりに解いてくれるんです。
宿題だったら、
もーだるいー
となってしまいそうな
356+831
も、ナゾトキの中にあれば
まかせろ!
なんて言って、取り掛かってしまうんですね。
主体的に関わる気満々!
この、私が解くよ!考えるよ!と思える瞬間を逃しては勿体無いですね!
そこで、4つの観点で問題を作って、1つのストーリーに織り交ぜています。
1直感で「楽しそう!」と感じるナゾトキ
2解いた後に「なるほどね!」「なんだ!そういうことか!」とちょっと笑えるような、謎解き自体を好きになる(もっとやりたい!と思える)ナゾトキ
3これまでの算数の知識・算数を解ける力があるからこそクリアできるナゾトキ
4解く中で考えた経験が今後の算数の学習につながっていくナゾトキ
1と2は、そのやる気を持続させるような問題なわけで、
算数の学習としてみた時には、ポイントはもちろん3と4です。
これまでの算数の知識・算数を解ける力があるからこそ
クリアできるナゾトキ
ナゾトキだけでなく、
とにかくこれまで習ったことを使って謎や問題を解けたことでストーリーが前にすすむというのは、とても嬉しい経験のようです。
バスケでいえば、さんざん練習してきたハンドリング(ドリブル)が、試合中の今この瞬間相手を抜くのに役に立ったー!
みたいな感覚なのかもしれません。
特にチームで進める謎解き・脱出ゲームなどでは仲間に貢献できるので喜びもひとしおです。
そんな「やった!」という感覚が得られたら、算数をもっとやろう!という気になりますよね。
解く中で考えた経験が、今後の算数の学習につながっていくナゾトキ
さらに注目したいのは、ナゾトキの中にあれば、まだ習っていない算数についても自然と考えてしまえる点です。
たとえば、
306×3
をする必要があった時、これは1・2年生にとってはまだ習っていないものになりますが、
306が3こあったらいくつかを知りたいんだよ。
306は300と6だね。
と声をかけてあげるだけで、
300が3つだと900だから……あとは……
と考えてくれたケースがあります。
これ、もう習っている場合には、筆算でやる子が多いのですが、
この時のメモは
300 900
6 3 6+6+6=18 918
といった感じ。この、自分の思う方法、自分で考えたものから答えを出していく経験を習う前にできるのはとてもいいことです!
また、コンパスや分度器にはじめて触れたのにすぐに使えるようになったケースもありますよ。
謎解きの中で「これを知りたい!」となっているから、習得するのも早いんですね。
そんな効果を信じて、わざと先の学年の内容を出題することもあります。
もちろん知らなければ解けないような問題ではありません。
たとえば、円の周りの長さを計算ではなく実際に計ってしまうとか、
「分速」という言葉を出さずとも、速さをくらべるような題材を扱うなどです。
これを経験しておくと、後に授業で習った時に「ああ!あれのことね!」ってなるので、いっそう理解が深まります。
そんな感じで、知識や解法を知らない段階で自由にその内容に触れられるのも、ナゾトキでできちゃういい経験だなと、感じています。
こちらもぜひ!
以上、算数に楽しく触れるための秘策(笑)、算数ナゾトキについて、何のためにどんな問題を並べているのか、紹介してみました!
ナゾトキの良さについては、2023年に開催したイベントについて、宇宙大好きぬまちゃんが「ぬまちゃん先生日記」をまとめてくださっているので、ぜひそちらも確認されてみてください!
そして何より「解こう!」と思えるのは……
ところで、私たち講師にはアプローチが難しいけれども、算数ナゾトキよりもっと自然に子ども達が「解きたい」と思えて「自由」に考えられる場面があるのをご存知ですか?
それは、パパママと過ごしている日常生活です。
買い物をするから家族みんなにいきわたる量をもとめたい!
全員があたるには何試合したらいいのか知りたい!
買ってきた具材の量にあわせて調味料の量を考えなくちゃ!
……等々。これがわかれば生活の役に立つという場面がいろいろあって、その時の問いを子どもに渡してみると自然に考える時間が生まれます。
ということで、日常生活でどんな声かけをしたらいいのか、これまでの連載もご覧くださいね!
■バックナンバーはこちら!
それでは!
今回の記事はここまでです。
お読みいただきありがとうございました!!
また次回お会いしましょう~!!
ではまた!
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算数ナゾトキのずーさん、数学のお兄さん・横山明日希、math channel編集長のぬまちゃんなどによる「ナゾトキイベント」を開催しませんか?
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著者プロフィール 河野梓(ずーさん)
河野梓(ずーさん)
考えぬく力を育てる 教えてくれない算数パズル塾Pazoo 主宰。 学年や教科書内容に囚われず、算数の感覚がつかめる問題や試行錯誤を楽しむ問題を作成し、『難しい問題はラッキー』を合言葉に教室を運営している。 その他、「生きる力を育む」をコンセプトにした塾や地域の子育て支援などを通して、日々子どもと戯れている人。 math channelではコンテンツ制作に関与し、算数パズルやクイズのネタを探っている。 早稲田大学商学部卒。中3、小6&小3の子どもを育てる3児の母(photo by 大江香子)
■ずーさんが執筆に携わったmath channelマガジンの本
ビジネスや生活から、エンタメや入試問題まで、中学生から読める、身近で、おもしろくて、役に立つ、数学の話をまとめた一冊です。
「算数・数学は面白いもの・楽しいもの」と思ってもらいたいという思いから、math channelマガジン編集部メンバーがアイデアを出し合いながら書きました。
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