しっしー先生の探究ノート ~知ってるようで知らない教育キーワード『”クリエイティブな学び”って何だ!?』~②学びにクリエイティブをどう取り入れるか

こんにちは!math channelのしっしーです。

前回の記事では、クリエイティビティの大切さについてお話ししました。そしてクリエイティブな活動を授業に取り入れることで、クリエイティビティを育成できることに加え、子どもたちの興味関心を高め、深い理解を促すことが期待できるということをお伝えしました。

では、クリエイティブな活動とはどのようなものでしょうか?今回の記事で一緒に考えていきましょう。
「こういった切り口があるのだな」と少しでも参考にしていただければ幸いです。

さて、前回の記事で、クリエイティビティとは、想像力を使って新たなアイデアや物事などを生み出す能力であるという辞書の定義を紹介しました。

これを基に、クリエイティブな活動は「主体的にアウトプットする活動」であると広く捉えてみましょう。

主体的なアウトプットの活動は、大きく2つに分けることができると考えます。

主体的にモノを作る(物理的なアウトプット)

主体的にアタマを使う(思考のアウトプット)

ここからは、それぞれの具体例をご紹介します。

主体的にモノを作る

実際に何らかのモノを作る活動は、クリエイティブな活動としてイメージしやすいですね。作る」という活動自体の面白さを学習と組み合わせることで、子どもたちの興味関心を惹きつけ、深い理解を促します。

具体的に「時計」の単元を例に考えていきましょう。

math channelのアフタースクールの講座では、子どもたちに「オリジナルの時計を作ってみよう」と呼びかけ、白紙の紙、ハサミ、ピン、色鉛筆を渡しました。

筆者が講座のデモンストレーションで使用したオリジナル時計

子どもたちは、自分の好きな形(円形、四角形など)に紙を切って時計を作成し、色鉛筆で思い思いのデザインをしました。そして、試行錯誤しながら、時計を何個も作ろうと夢中になっていました。

小学校で使う「算数セット」にも時計は入っていますが、まずは自分で作ることで、長針と短針の違いなど、時計の概念仕組みに自然と慣れ親しむことができます

また、少し話は変わりますが、最近ではEdTechという教育とテクノロジーを融合させた教育方法も聞かれるようになりました。文科省のGIGAスクール構想により、日本の学校教育では生徒1人に1台のICT端末が配備され始めています。1

モノを作る活動は、デジタルとも相性がいいです。

時計の例でいくと、スクラッチというプログラミングアプリを使用して時計を作らせる2こともできますし、タブレット上で時計のデザインをさせるなど、様々なクリエイティブな活動が考えられます。

デジタルと教育が融合すると、創造的な活動はより展開されやすくなりそうですね。3

主体的にアタマを使う

質問の工夫によって、クリエイティブなアイデアを引き出す

ここまで、モノを作るという活動についてお話してきました。もう1つのクリエイティブな活動として、主体的にアタマを使う活動があります。

子どもたちに主体的にアタマを使ってもらうためには、質問の仕方を工夫することが重要です。

質問を工夫すると、主体的にアタマを使う活動に!

もう一度、時計の単元の例に戻って考えていきましょう。実際の時計を見せて、時計について説明することから授業をスタートすることは可能です。しかし、ここで針のない時計の写真を見せて、次のように問いかけてみたらどうなるでしょうか。

「この時計には何が欠けているだろう?」

時計を知っている子どもなら、「針」「短針」「長針」と答えが返ってきます。そうしたら、以下のように続けます。

「短針と長針って何?」「同じ長さじゃいけないの?」

このように、質問を通じて、時計の仕組みを理解させるのはどうでしょうか。

もしかしたら、「何で針は2本なの?」という質問をする子どもがいるかもしれません。その時はこのように質問を返します。

「そうだね、なんで2本なんだろう。ちょっと描いてみようか。3本だと、どうやって○時○分を表そうか?」

何時何分何秒を表す時計もあるよ。ちょっと珍しいけど、何時何分、それから何日を表す時計もあるよ。どういう時、皆はこういう時計を使いたい?」

「針を4本にしたらどんな時計ができるかな?」

このような質問を投げかけることで、子どもたちはより主体的に考えを巡らすことができます。

「短針は何時かを、長針は何分かを表す」という事実・知識をただ与えるよりも、質問を工夫することで興味関心の向上深い理解に繋がると思います。

算数以外の教科でも応用できる

これまでは小学校の算数の授業についてお話してきましたが、質問を通じて主体的に考えさせるという方法は、別の教科・中等教育以降の文脈でももちろん使うことができます。

例えば、高校・大学英語の授業を例にとって考えてみましょう。 子どもたちに助動詞を教える(復習する)ことを考えてみてください。もちろん「mustの意味とは・・・」など、それぞれの助動詞の意味や使い分けを説明することは可能です。しかしここで、このように問いかけてみるとどうでしょう?

「この文はどんな文脈で使うだろう?シチュエーションを考えてみよう」

「must とhave toの違いを後輩に説明してみよう」

これは英語に限りませんが、主体的に考えることに繋がる質問パターンとして、答えが1つに決まらないような質問(open-ended question)が挙げられると思います。

文を使うシチュエーションは様々考えられますし、人への説明の仕方も自分で英語の例文を作ってみたり、やり方は様々ですよね。

もちろん「must=しなければならない」と機械的に覚えるのもアリではあるのですが、主体的にアイデアを巡らせることで、記憶にも残りますし、知的好奇心を喚起できます子どもたちの理解も深まるのではないでしょうか。

クリエイティブな活動は様々

今回の記事では、クリエイティブな活動を①主体的にモノを作る活動(物理的なアウトプット)②主体的にアタマを使う活動(思考のアウトプット)の2つに大きく分けて整理しました。

クリエイティブな活動というと実際にモノを作る活動かな?と考えやすいと思うのですが、それだけではありません。2つ目にご紹介した通り、質問を効果的に使うこともクリエイティビティを育成するために一役買うでしょう。

たかが質問、されど質問です。質問の仕方1つで、子ども達は夢中になって考えてくれます。教室の中だけでなく、ご家庭での教育・コミュニケーションの中にもぜひこのクリエイティブな発想を引き出す質問を取り入れてみてください。

次回の記事では、こうしたクリエイティブな活動の時間をさらに持続させる方法について、一緒に考えていきましょう。

参考文献

  1.  GIGA スクール 構想の実現へ
  2. ​​Scratchで時計をつくろう! | ECF Tech
  3. 提言「Society5.0時代の学びⅡ~EdTechを通じた自律的な学びへ」を公表~経団連

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