math channelにてコンテンツ開発を担当している「算数のお兄さん」ことよしだしんや(通称:しんやくん)です。
算数ゲームクリエーターとしても活動していて、以前には九九カードゲーム「kukupon!(くくぽん)」を考案しました。
今回はたし算とひき算を楽しく反復できる算数ゲームをご紹介します。
まずはよくあるこんなお悩み。
1ケタのたし算ひき算のスピードが遅くて……
くり上がりやくり下がりの計算にもたついてしまって……
計算力は大事と分かっていても、それを地道に練習するのはなかなか大変ですよね。
そんな方に朗報です!
今回は、トランプとサイコロを使って、楽しく計算練習ができる遊びを紹介します。
その名も「シャット・ザ・カード」!
海外の古典ゲーム「シャット・ザ・ボックス」をアレンジしたゲームです。
日本ではマイナーなゲームなのでご存じない方も多いと思いますが、ご安心ください。
なんとサイコロを振ってカードを裏返すだけ!
先にすべてのカードを裏返した方が勝ちというシンプルなルールなのです。
どんな遊び方、使い方をする?
それでは早速、用意するものと遊び方を見ていきましょう。
用意するもの
- トランプ
1~10のカード各2枚ずつ - サイコロ
普通のタイプ2個
*トランプは広告などの不要な紙、サイコロは鉛筆の側面に数字を書くなど、身近な物でも代用可能。
遊び方
- 1~10のカードを数字が見えるように並べます。
- 自分の番が来たら2つのサイコロを同時に振り、出た目を合計します。
- 目の合計に合わせて1枚または2枚のカードを裏返します。2枚の場合は、カードの数字を足し算して目の合計になればOKです!
例)2と4の目が出て合計が6のとき
・「6」のカードで1枚
・「2」と「4」のカードで2枚
・「1」と「5」のカードで2枚
上記3つの方法から裏返し方を選びます。
※裏返せるカードの有無に関わらず、パスをすることができます。 - ②、③を繰り返し、先にすべてのカードを裏返した方が勝ちになります。
ただし、最後に「1」のカードが残った場合は、その時点で負けとなります。
(2個のサイコロそれぞれが1を出したと考えると、目の合計は2が最小値となります)
(もちろん「2」と「4」を裏返すのもOKです!)
どんな学びがある?
このゲームではカードを裏返すとき、「答え」から「式」を作ります。
6という答えから「1+5=」や「2+4=」のような式を考える、という、普段の計算ドリルとは全く逆の練習になります。
実はこの操作、「数の分解」という名前がついています。
似たようなことを1年生の初期に学習するのですが、十分な練習機会を確保できないのが現状です。
これを素早くできるようになると、くり上がりくり下がりの計算が楽になるかもしれません。
さらに次のような声かけをしていただくと、より学びが深まります。
他のカードの組み合わせで作れないかな?
どんな目が出てくれれば嬉しい?
最後に1のカードを残すとどうなるかな?
といった感じです。
ゲーム中の会話は、お子さまの思考を整理する良いきっかけになりますので、ぜひ実践してみてください!
さらに、サイコロの個数やカードの種類を変えることでオリジナルゲームも作れます。
自由な発想でどんどん面白いゲームを作ってみてください!
頭のウォーミングアップにもおすすめ!
今回は「シャット・ザ・カード」を紹介しました。
カードを裏返す組み合わせを色々と試行錯誤することで、たし算ひき算のみならず「数の分解」の練習にもなるゲームとなりました。ぜひ親子やお友だち同士で楽しみながら取り組んでみてください!
また、日々の学習時間を決めているご家庭は、最初の数分間をこのようなゲームから始めてみるのはいかがでしょうか?
頭のウォーミングアップになるのはもちろん、その後の学習の動機づけにもなると思います。
今後もこのような算数ゲームを紹介していきますので、お楽しみに!
他にも学びながら遊べる算数ゲームはこちら!
(文責:よしだしんや)
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著者プロフィール 算数のお兄さん よしだしんや
よしだしんや(吉田真也)
算数のお兄さん/ 算数ゲームクリエイター
大学在学中から「算数のお兄さん」として活動を開始。math channelには立ち上げの段階から参画し、現在に至るまで主にコンテンツ開発を担当している。中高数学の教員免許保持。ゲームや工作と絡めた教材開発を得意とし、「算数ゲームクリエーター」の肩書も持つ。九九カードゲーム「kukupon!(くくぽん)」の考案者。マガジンでは、親子一緒に算数で「やさしい時間」を過ごせる遊びや話題をお届けします。
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