近年、教育の場において、体験を通して学ぶ「体験学習」が注目を集めています。
特に小学生の学習において、体験学習が効果的だと言われています。
それはなぜなのでしょうか?
今回の記事では、算数の体験学習について考えながら、その理由を紹介していきます。
7歳から12歳ごろの子どもは、抽象的な概念については理解が難しい!
算数の体験学習が小学生の学習に効果的な理由は、この時期の子どもの心の発達と関連しています。
発達心理学の世界では知らない人はいないほど有名な、スイスの心理学者、ジャン・ピアジェが提唱する「ピアジェの発達段階説」によると、7歳から12歳ごろの子どもは、
という発達段階にあるとされています。
そのため、この時期の子どもにとっては、「10mmと1cmは同じ」「103センチは1メートル3センチ」など、文字に書かれたり言葉で表現されたものだけでは、抽象的過ぎて理解することが難しいのです。
しかし、この時期の子どもは
という力を持っています。
だからこそ、抽象的な概念を、具体的なものを通して理解していくことが重要なのです。
これこそが、「体験学習」がこの時期の子どもにとっていかに効果があるか、ということの大きな理由の一つです。
体験を通して学ぶと理解が深まる
それでは、7歳以前と12歳以上については、どうなのでしょうか。
まず、7歳以前の幼児期は、自分中心に物事を捉えていて、「見た目」によって直感的に判断を左右してしまう傾向があります。
具体的なものを通したとしても、ものごとを理解する力はまだ発達していません。
それから、12歳ごろからは、「抽象的な概念を頭の中で論理的に施行することができる」という力を身につけていきます。
7~12歳ごろの具体的なものを通して物事を理解する時期を経ることで、この力につながっていきます。
だからこそ、7~12歳の子ども、つまり小学生には、直接自分で体験して学んでいく「体験学習」がお勧めなのです。
算数は特に抽象的な概念がよく出てくる教科です。
「長さの単位って何?」「メートルってどれくらいの長さ?」など、抽象的なことを頭だけで考えると難しく、算数が苦手になってしまう可能性があります。
しかし、体験を通して学ぶと理解が深まり、「算数っておもしろい!」と感じて算数が得意になっていくことでしょう。
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ぜひ、日常の遊びの中で、取り入れてみてください。
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(文責:洪愛舜)