我が子に算数できるようになってもらいたい!と考えるパパママに向けて、
ドリルをしよう!とか教室に通わせよう!などという話ではなく、
日常生活の中でしれっと自然に算数センスを身につける方法をお伝えするシリーズ第11弾。
気づいたら2ケタになってました。びっくりです。
いつも励ましてくれるデスクの洪さんやマガジン編集部の皆さんありがとう!(泣)
そんなデスクと息子さんの素敵な記事はこちら↓
息子さんの一生懸命な計算シーンにほっこりします♪
さて!今回のテーマは『平均』です!
この連載でははじめての、高学年(5年生)で扱う内容ですね。
だいたい3年生を過ぎると知り合いのパパママから
もう家で算数教えるの無理ムリー
なんて言葉を聞くのですが、確かに高学年になると内容もだんだんと抽象に向かっていって、公式を使う問題も増えたりするので、ちょっと雰囲気が変わるかもしれませんね。
そんなわけで、「平均」について家でしれっとできることも、これまでの「かさ」や「数」「長さ」などに比べたら少ないかもです。
けれども!!
小さいうちに「平均」の学習に向けて種まきしておきたいことが1つだけあるんです。
「平均」の学習の前に家でやっておきたいこと。それは…
それは、「均(なら)す」という言葉のイメージ(意味)を知らせること。
「均す」という言葉って、日常であんまり扱わなくないですか?
何なら漢字で書けと言われても「均」←これがすんなり出てこないまであると思うんです。
でも、「平均」は読んで字のごとく「平らに均す」ことを考えるので、その意味がわからないことにはいまいち掴めないんですよね。
だから、「均す」を体感で知って欲しい!
だけど、日常に「均す」ってあんまりない!
どうしましょう??
……困りましたね。
ところが私、見つけてしまったのです!
かっこうの題材を!!
それがこちら!
そう!砂場です!
幼児さんがいらっしゃる家庭では毎日お世話になっているかもしれない、砂場です。
洗濯する立場からすれば敵ともいえる、砂場です。
ものすごく関係ない話ですけど、ちょうど昨日小学校に行ってきまして、駐車場に着いてみたら昼休みのおわりの時間で、他の上級生みんな学び舎に戻っていったのに1年生と思しき5人が一生懸命に砂場で遊んでいるとこに遭遇したんですよ。いや~~~可愛かった!!熱中できるってすばらしいですよね。
そんな、この後先生に怒られるだろうことを差し引いても素敵な経験として思い出をくれる、砂場です。
さて。もうおわかりですね。
私たち親が「平均」の学習の前に種まきとして「しておいたらいいこと」。
それは、
楽しかったね。次の人のためにお砂、均してから帰ろうか!
と、声をかけることです。
「お山崩してから帰ろうか。」ではなく、
「元に戻してから帰ろうか。」ではなく、
きれいに均してから帰ろうか
平(たいら)に均そうか
これです。
そんな言葉を何度か聞かせることで「均す」という言葉のイメージを教えてあげて欲しいのです。
「平均」の学習の落とし穴!?
なぜ私がこんなに強く「均す」に触れることをおすすめするかというと、
5年生になって「平均」を学習する中で、その概念にあまりピンとこない子どもを散見するからです。
加えて、「平均」の学習では「(平均)=(全体の和)÷(個数)」という公式が出てきます。
この公式を使えば平均の問題は解けるんですが、「(和)÷(個数)」に「高い(多い)ものから低い(少ない)ものに分けて高さ(量)を同じにした=均した」といった意味合いはありません。
平均の数値は「不揃いなくみんな同じだったら」で考えた場合の値である。
それは「一回全部集めて等しく分けた」数値と同じになる。
ということからこの公式で平均が求められるのであって、式自体に「均し」の雰囲気は無いわけです。
すると、「平均」の学習に入ったときに「均し」のイメージがない子は、
授業で公式が出てくると「結局、平均って足して割ればいいんだよね?」となってしまいがちです。
もちろんそれでも求められているので良いのですが、
平均というのはしばしば社会生活の中でも出てきて、マジック的にその数値を使われることもありますよね。
「日本人の平均収入が〇〇となっているけれどもそれは一部の超高収入層が平均を引き上げているからで、多数の人の収入は平均よりも低い」とか、そんな話のことです。
計算した結果としての平均値そのものではなく、平均値が示すもの、どこからその値が出てきたかを読み解くことができれば数字のマジックにひっかかることはないわけで、理解できるようになっておいてほしいじゃないですか。
だから……
もしくはヒントは、恒例のキッチンに
もう我が子は私と一緒に砂場なんて行かないよ。という場合には、
揚げ物調理をチャンスにしてはいかがでしょう。
まずとんかつを作り始め、
お肉に小麦粉をつけ、
卵をつけ、
例によって(過去の記事同様)「私はちょっと手がふさがっててあなたの手伝いが必要なんです。よろしく!」という状況を作り出します。そして……
〇〇ちゃんパン粉がなくなっちゃったー!入れてー!
これくらい?
うん!ありがと!ちょっと均してもらっていい?
ならす?
山をくずして平にしてほしいの
……はい!
ほらね、「均す」が出てきました!
それから、マインクラフトというゲームでも整地を経験できます。
それでいったら街中でブルドーザーを見かけた時なんかも「均す」という言葉の出番がありますね。
まあでもやっぱり、「多いところから少ないところに移して量が揃った」ことを自覚できるように、実際手を動かすのがいちばん良いと思います!
3・4年生になったら
さて。このままでは今回砂場の話だけで終わってしまいますので、
お家でできる「平均」学習の種まきついて、あと2つお話ししましょう。
こちらは、お子さんが小学校3・4年生くらいの時におすすめしたいことです。
1つは「平均」という言葉をパパママが使うこと。
(明細確認しながら)あーーーーー!!
どうしたの?
今月電気代爆上がりです。みんな無駄遣いしないように。
えー?いくらー?
驚きの20,000円でございます。
まじかー!キックボード買えるじゃん。
まあ、春秋はもうちょっと低いからさ、平均15,000円ちょいってところかなー。でも地球のためにを減らせるところは意識してねー。
へーい。
と、こんな風に、正しい平均値はどうでもいいので、
多いものがある。少ないものもある。だいたいで表すと、その間の値になる。
もしくは逆に
少ないものがある。多いものもある。だいたいで表すと、その間の値になる。
というケースに平均という言葉が登場することをアピールしていきましょう。
(バレーの試合中継を観ながら)すごーい!日本代表平均190センチだって!ママより30㎝くらい高い人達なんだねー!
などと、テレビなどで「平均」という言葉が出てきた時にそれを強調するだけでもOK!
平均をなんとなーく知っておこう
日常とは少し違うかもですが、もう1つ、平均当てゲームもおすすめです。
ゲームといっても数値が3個以上出てきたときに「平均はいくつだろう?」って聞くだけなんですけどね。
ねえねえ、今日、走り幅跳びした~!
お~!記録どのくらいだったん?
えっと、
1回目は2m21㎝で、2回目は2m18㎝で、3回目は2m25㎝!
3回目が一番跳べたんだ!
うん、助走がうまくいった!
やったじゃん!
てことは、平均したら2m何cmくらい?
平均って?
んー。〇〇ちゃんが走り幅跳びしたら、だいたいこれくらい跳べますよって数。
2m25㎝!
それは調子がいい時だから……助走がちょっと上手く行かなかったとしてもこれくらいなら跳べますよって長さは?
2m18㎝?
もっと跳べる時があるのにそれだとちょっと控えめすぎない?
えー。じゃあ、2m20㎝とか?
うんうん、そんくらいかもね~。
こんな感じです。
コツは、はじめからしっかり平均を理解・計算しようとせずに、なんとなーくで触れること。
正しい平均値は整数でないことも多いですし(この場合2m21.3333…㎝)、まずはなんとなく「あいだの数を考えるのが平均」だという感覚になればOKです。
この時、2つの数値で考えると「(平均)=(最低値と最高値のちょうど真ん中の数)」と勘違いしがちなので、値は3つにしましょう。(例えば4と6と14の平均値(8)を求めるのに、最低値4と最高値14の真ん中の数9と考えてしまう)
学校で習う前に、試行錯誤で「平均」を求める経験を
平均がどんなものかを掴んできたら、一緒に値を求めるのもいいですね。
ただし!公式は使わないやり方で。
(ケーキ屋さんの帰りに)やった~!早く帰って食べよ~!
どれも美味しそうだったよね~!
ねえねえ、〇〇ちゃんの一口ちょうだい!
じゃあ、交換ね。
おっけー!
いや~それにしても、さすが今なんでも値上がりしてるから高かったね~
(今回の話題はなぜか家計がキリキリする方向でお届けしております(笑))
そうなん?
〇〇ちゃんのがいくらだっけ?
450円だった。
お兄ちゃんのが490円でお姉ちゃんのが430円だから…はい、平均をどうぞ。
ええ??わかんないよ。
いちばん大きい490円からいちばん小さい430円にいくらかあげちゃって3つとも同じような数にしたらいいんだよ。
じゃあ、20円あげるとすると……490円が470円になって、430円が450円になるか。
あ、やっぱ30円にする!そしたらどっちも460円!
ってことは、450円と460円と460円になって、まあだいたい同じやね。平均は460円よりちょい少ないくらいか~
私のケーキは440円だったから君たちの方が高いってことだな。けしからん。心して食べたまえ!(笑)
20円しか違わないじゃん!てか原因ほぼ兄ちゃんのだし!(笑)
こんな会話ができるといいです!
(一回で同じような数に揃わなくても、またその時点でいちばん多い数からいちばん小さい数にいくらか分けるのを繰り返せば平均に近づいていきます。)
いつもお伝えしているように、子どもが「勉強している」「試されている」という気持ちになってしまっては算数嫌いになりかねませんので、あくまで「パパママが求めてみたいんだけど一緒にやってみようよ」という雰囲気でいきましょう!
慣れてくると、数字の並びをみて即座に「平均はこれくらい!」と、当てにいけるようになります。
みんなで予想を出し合ってから実際に計算してみると面白いですよ!
(そして、その力はテストや入試などでも役立ちます♪)
以上!
今回は『平均』についてお話してきました!
高学年の内容はやはりちょっとカロリーが高めだったかと思います。
お疲れ様でした!
次回は、いつものように単元別の話ではなく、第7弾でお伝えしたこちら↓
この続き(?)で、宿題でもなんでもお子さんと算数に触れるときに「教える」の代わりにしてほしいことについてお話できたらと考えています。
お楽しみに♪
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