お子さんに算数センスが身につくように、日常の中でしれっとやっておきたい声かけ働きかけをお伝えするシリーズ、第10弾!
今回のテーマは「長さ」です。
パパママ、育児お疲れ様です!
こんにちは。math channnelマガジン編集部のずーです!
やってまいりました!今回は「長さ」について。
2年生ででてくる単元ですね。
子どもが2年生で習う頃までには、「長い」「短い」はじめ、「センチメートル」「ミリメートル」をなんとなく知っておいてもらいたい!
そのためには日常でどんな体験ができたらいいでしょうか?
実は、「長さ」については良い題材があるんですよ~
それがこちら!
そう、「身長」です。
「身長」は毎年測りますし、記録に保護者のサインなどが必要な場合も多いので、自然と長さに関する会話が親子でできるのです。
しかも、身長ってだいたい子どもは毎年のびるわけで、つまりは成長しているわけで、それってすごく喜ばしいことじゃないですか。
「背が伸びた」ことは、
不確かではなく誰の目からも事実であって、
自分もちょっと嬉しいし、
まわりは喜んでくれるし、
なんなら褒められている気にすらなる!
算数抜きにしても、注目して損はありません!
親戚からの「お~!ちょっと会わない間に大き(く)なったな~!!」なんて、なんぼ言われてもいいですからね。
というわけで!
今回は身体測定をベースに3年計画で徐々にお子さんに「長さ」を知ってもらう作戦をお伝えしましょう。
1年目:センチメートルとものさしに出会う
まずはこれ、いつ声かけしたらいいの?という話ですが……
お子さんが「長い」「短い」という概念が分かってるな~と思ったら、この作戦の出番です!
1年目、身長の記録をみてこんな会話をしてみましょう。
今日、身長測った?
うん!
(おたより帳などの記録を観ながら)どれどれ……お!去年よりも4センチくらい伸びてる!大きくなったね~!
イエーイ!
4cmってことは……(ものさしを持ち出して)ここからここまでだから……(指で長さを作って)こんくらいだね!
それだけ~?
いやいや、いっぱい大きくなったんだよ。うまれた時は48cmだったんだから。
48センチってどんくらい?
えっとね~。椅子の高さがだいたい40cmで、(ものさしを当てて)8cmがここだから、こんくらい!
ちっちゃい!そんなにちっちゃかったの?
そうだよー。これからもモリモリ食べて元気に育ってくだーさい!
こんな感じ。
まず1つ目のポイントは「4cm」と、のびた長さを整数で表すこと。
実際は3.7cmでも4.2cmでも、話すときは4cmにしておきましょう。小数は混乱しちゃいますからね。
2つ目のポイントはものさしを持ち出すこと。
そばにない時は「ちょっとまってて~!」と小走りで楽しげに持ってきましょう。
そうやって「なんだかいい道具なんだ」と、ものさしを認識してもらうのも、算数を楽しくするコツです!
そして、一緒に4の目盛りを探してから0と4の目盛りに親指人差し指を当てることで、目盛りの存在をアピールします。
3つ目は出生時の身長を伝えること。
なんなら母子手帳を持ち出して一緒に確認したら、絶対子どもは喜ぶはず。
子どもは自分が赤ちゃんだった頃の話、好きですよね!
そして4つ目は「椅子の高さがだいたい40cmである」という情報をさらっと入れること。
「へ~!椅子って40cmなんだ」と思ったり、「他のものは何cmなんだろう?」と思ってくれたらラッキー!
さらにはここで長さの足し算引き算もしれっとしてたりします。
どうですか?
身長ひとつで結構いろんな「算数の種まき」ができるのですね!
もちろん全部入れ込もうとしなくても大丈夫なので、ぜひ親子で長さについて会話してみてください!
長さを意識して切る
お次は2年目!……といきたいところですが、その前にせっかく「センチメートル」に出会ったので、少し「長さ」を使えるようになってみましょう。
例えば野菜を切ってもらう時、「5cmくらいの幅で」「3cm角に」なんて表現はよく出てきますよね。
野菜が難しかったら、豆腐やバナナなどを一緒に切って、
だいたい3cmくらいかな~
このくらい?
そうそう、その辺!
なんてやりとりすると、長さの目盛りが読めるようになっていきます。多少誤差があってもお料理だったら支障ないですし、トライしてみてください!
こんな、目盛りつきのまな板があってもいいかもしれませんね。
(我が家の子たちはそれをガイドにすると、きっちり測りすぎるだろうと思って使っていませんが(笑))
それから、リボンやテープを切るときにも、センチメートルは登場します。
テープ切って~!
どのくらい?
5cmくらいあれば大丈夫!
とか、
20cmくらいのリボンがいっぱい必要なんだけど、これ切るの手伝ってくれん?
なんてお願いするのもいいですね。
「お願い」はもはやおうち算数の常套手段です(笑)
2年目:100cmを1mに言い換える
さあ、2年目です。
この1年の間に身長も伸びたでしょうが、センチメートルとも仲良くなったことでしょう。
そろそろ、「センチ」ではなく「メートル」という単位があることを教えてあげてもいい季節です。
今日身長測ったの~!
何cmだった?
105cm!
お~!1m5cmになったんだ。
お子さんによっては身長100cm未満のうちに長さに親しんでいるかもしれませんが、その場合は「もう少しで100cm、ってことは1mだ~!」などと言い換えてくださいね。
とにかく、あえて「mとcm」の言い方をすることで、「メートル」を子どもの意識に滑り込ませてみましょう。
身長が1m5cmなら、だいたい5cmの幅を指で作って子どもの額(ひたい)にあてて、
じゃあ、今の〇〇ちゃんの場合、おでこまでがちょうど1mだね。
なんて一緒に考えると、1mがより身近になるし、
時が経つにつれて1mラインが鼻→あご→肩と下がっていくことに成長を感じられます。
え?私ですか?1mといったら腰くらいですかね~(嘘)
お出かけ先で「m」をみつける
1mという長さがわかったら、道ばたで「m」を探してみましょう。
車を運転する方なら、「この先300mで右折です」といったナビの案内や「トンネル1260m」なんて表記に出会うことがあるでしょうし、
登山中に「標高3776m」や「展望台まで580m」の看板をみつけたり、いろいろあるはずです。
はじめはみつけるたびに「長い!」とか「そんなにあるように見えないね。」とか、ちょっと注目するだけでOK。
慣れてきたら長さを想像できるようになるといいですね。
大人の脚で軽く1歩前に跳んでみせて、
これで1mくらいだから、580回大股跳びしたら展望台だね!
とか、
あそこの交差点まで〇〇ちゃんのおでこまでの長さが300こ分だって
なんて会話ができたらGOODです。
3年目:mmを登場させる
さあ、いよいよ3年目に突入しました(笑)
これまでの2年間で「センチ」に慣れ、「メートル」にも慣れ……ときたら、
そう!
最後は「ミリメートル」です。
ママこれサインして~!
お~!今日身体測定だったか~!
108.6cmになったよ。
大きくなったね~!1年間で3.8cmってことは……3cm8mmものびたんだ。
うん、3cm8mmのびたー!
のびましたな~
と、こんな具合。
ものさしに慣れていればもう「mm」は知っているかもしれませんね。
もちろん、はてなが浮かぶようなら、ものさしを持ち出して、
この大きな目盛り3つとちっちゃい目盛り8こ分だね。
と一緒に確認してみてください。
え?「mm」知ってるなら3年目はいらないじゃんって?
いやだな、ここでは小数の変換をしれっと紹介しておくという重要な役目があるんですよ。
長さの学習では基本2年生で「cm」「mm」「m」を扱い、3年生で「km」が登場するんですが、そのあとに「小数」という単元がやってきます。
実は身長(や体重)は、この小数を日常で耳にするいいチャンスでもあるのです。
・1mmが1cmを10こにわけた長さであること
・1cmは10mmと同じであること
・「さんてんはち」の「てん」のあとの「はち」は、「8mm」の「はち」でもあること
1年目には伏せておいた「小数」での表現を長さに慣れてきた頃に出すことによって、ぜひ、単位換算の準備にもしてもらえたらいいなと思います!
おしまい
いかがでしたでしょうか。
わかりやすく一年ごとでお話しましたが、たぶん身体測定って学期ごとにあることがほとんどだと思うので、お急ぎの方はもちろんそちらのチャンスも利用してみてくださいね。
いずれにせよ、子どもの理解にあわせて少しずつステップアップしていくのが大事です。
お子さんが何をどのくらい経験して、どのくらい知っていて、どのくらい使いこなせているのか。それをいちばんわかっているのはパパママだと思いますので、ぜひその時に会った声かけ働きかけをしてあげてください!
以上、今回のテーマは「長さ」でした。
次回は「平均」についてお話する予定です。お楽しみに!
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