良問ってどんな問題?「良問講座」の問題に挑戦/連載「タキザワ流、合格力がつく!中学受験算数ガイド」【Vol.11】

こんにちは。中学受験算数ナビゲーターの滝澤です。

この連載では、中学受験で出題された問題を主に解説してきましたが、今日は少し趣向を変えて、いま私が担当している講座(中受良問講座といいます)の問題をご紹介したいと思います。

算数の良問とは何か

この講座で扱う「良問」とは、以下の条件に合うものです。

  1. 定番の特殊な解き方でも解けるが、その解き方を知らない中学受験の勉強をまだしていない小4(小3)でも自分の力でなんとか解けること
  2. 手を動かして何度も計算したり書き上げるなどの試行錯誤をして、答えにたどりつくことができること
  3. 何らかのきまりや同じものなど、自分で発見する喜びがあること

という訳で、この良問講座では、主に実際の中学入試で出題された問題をわかりやすく解きやすいように私がアレンジして作問を行っています。

中受良問講座の例題

面白さは人それぞれ

面白さ、楽しさはもちろん一人ひとりの子どもの感じ方・考え方の問題ですから一概に「これがおもしろい」と価値観を押し付けるわけにはいかないのですが、

こういう考え方って面白くない?」とか、「これに気づくと『おっ!!』って思わない?」などの働きかけをすることによって、算数の面白さにきづいてもらえたらと思っています。

では実際に問題をご紹介しましょう。

問題に挑戦してみましょう

【問題】
10□10□10□10の□の中に+、-、×、÷のいずれかの記号を入れて式をつくります。ただし、3つの□の中に同じ計算の記号を入れてはいけませせん。
次の問いに答えなさい。

(1) 10+10÷10-10 の答はいくつですか。
(2) 計算の結果として考えられるもののうちもっとも小さいものはいくつですか。
  そのときの式と答えをそれぞれ求めましょう。
(3) 計算の結果として考えられるもののうちもっとも大きいものはいくつですか。
  そのときの式と答をそれぞれ求めましょう。

いわゆる計算パズルと呼ばれる問題です。やはりパズルはとっつきやすいですよね。

この問題のように、計算パズルの中でも四則演算記号(+-×÷)を□にいれるタイプの問題は、
開成・麻布をはじめ多くの中学で出題されます。

では解説をしていきましょう。

まずとても大事なことは問題のルールをしっかり確認することです。3つの□がありますが、同じ記号は入りません。しっかり確認しておきましょう。

(1) この問題は計算の順序がわかっているかどうかを確認する問題ですね。
もちろん「×÷」は「+-」よりも先に計算しなくてはなりません。
ひっかからないようにしたいですね。

この問題では10÷10を先に計算しなくてはいけませんから、答えは1です。

(2) この問題は小学校で習う算数ですから、もちろん負の数は答えになりません。
ただし、負の数で答えてしまっても学校によっては正解となる可能性もあると思います。
ですから、

10÷10-10×10=-99

も別解としてはありですが、普通に小学校の算数の数の範囲でいえば正解は

10×10÷10-10=0

が正解となります。意外と0という数字は忘れられがちです。
また、(1)で答えが1でしたので、1より小さい答えを考えなければなりませんね。
(1)をヒントに考えるということも大切です。

(もちろん10÷10×10-10も正解です)

(3)  10×10は使いそうですから、

10×10+10-10=100 

という答えがすぐに思いつきそうです。
しかし本当にこれが正解かをしっかり確かめなければいけません
答えを最大にしなければいけないので、「10×10+」まではよさそうです。
しかし、「-」ではなく「÷」にした方が実は答えが大きくなりますね。

10×10+10÷10=101

が正解となります。(10÷10+10×10もOK)

さいごに

いかがだったでしょうか。中学受験算数の問題の中でも試行錯誤をする問題であれば、
今までの勉強量や成績にかかわらず楽しめるかもしれないと思っていただけたでしょうか。

これからも良問講座では月に1回このような問題を作ってここでしか体験できない問題
真剣に向き合い何かを発見するという、算数の楽しさを経験をしていただければと思っています。
もしご興味があればぜひご参加ください。お待ちしています。

中受良問講座(オンライン&代々木教室)の様子

くわしくはこちらをご覧ください。

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滝澤先生とmath channelマガジン副編集長のぬまちゃんが、YouTubeでも中学受験算数の良問について語っています。
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この記事を書いた人

御三家筑駒中学受験専門塾にて指導歴30年。「算数の楽しさは正解だけではない」「すべての小学生に算数の難問を解く楽しさを知ってほしい」と思い、math channnelに参加。算数表現力ゼミを主催。