植木算は、昔からよく知られている中学受験必須アイテムです。
道の両側に木を植える場合や片側だけに木を植える場合、あるいは輪になっている道に木を植える場合など、さまざまなケースがあります。
木と木の間(木で区切られた区間)の数を求め、それに1足したり、1引いたり、あるいは木と木の間の数がそのまま答えになります。
公式の使い分けに戸惑っている人も多いことでしょう。
これから、「植木算を極める」というタイトルで、3回に分けて公式やその使い分け覚えなくても間違いなく計算できる方法をご紹介し、植木算の考え方を用いた問題についてお話をいたします。
「その1」である今回は、公式やその使い分け覚えなくても間違いなく計算できる方法のご紹介です。
典型的な問題と公式
植木算の典型的な問題は
というものです。
問題を解く手順として、まずは間隔の数を求めるため、
道路の長さ÷間隔の長さ
を計算します。
しかし、よく考えると、間隔の長さは、本質的には、意味を持たないことが分かります。
等間隔に木を植えるという問題設定が多いのは、道が木によっていくつの区間に分割されるかを求める(つまり、区間の数を求める)ためです。
ですから、本来は、以下のようなスッキリした問題です。
区間の境目に木を植える際に、注意すべきは道路の端の扱いです。
以下の3種類の場合があります。
- 道路の両端に植える場合(公園と道路の境目に木を植えることを考えるといいですね。)
- 道路の両端には植えない場合(バス停とバス停の間に木を植えることを考えるといいですね。)
- 道路の片方の端にだけ植える場合(いい例が浮かびません。ごめんなさい。)
それぞれに対応して
木の本数=区間の数+1、木の本数=区間の数-1、木の本数=区間の数
となります。
対応付けによる公式の使い分け
ご紹介するのは、公式の使い分けのコツです。キーワードは“対応付け”です。
こんな状況を想像してください。
□個の区間に分かれた道があります。区間の端に木が植えてあります。人が区間の中に立っています。人の数=区間の数です。自分の右側の木に手を掛けています。みんなが木に手を掛けることが出来るでしょうか。
道の両端に木を植えてある場合は、必ず右手のところに木がありますが、1番左端の木には誰も手を添えることはできません。つまり木の本数は人の数より1つ多いですね。だから
木の本数=人の数+1=区間の数+1
になります。
両端に木を植えない場合は、右端の人には触る木がありません。つまり人の数より1本少なくなります。
木の本数=人の数-1=区間の数-1
です。
道路の片方の端にだけ植える場合は、全員に触る木があります。つまり人の数と同じです。
木の本数=人の数=区間の数
です。
輪になっている道にも区間ごとに人に立ってもらいましょう。そうすると自分の右側の木に必ず全員が触ることができますね。つまり人の数と木の数は一緒になります。つまり
木の本数=人の数=区間の数
です。どうですか、これで丸く収まりました(駄洒落です)。
まとめ:情景を想像するだけで自然に計算できる
ご紹介した方法では、木と区間(人)を対応させていることになります。そして人と木がどのように対応するかを考えていることになります。
こうして区間の中に人が立ち、木に触って対応付けるということを覚えていれば、公式なんて覚える必要はなく、情景を想像するだけで自然に計算できます。
もっと慣れてくると、人を省いて区間を木に対応させて考えることも出来ます。
数学的にいうと、木と区間(人)を“1対1”に対応させていることになります。この方法は昔、豊臣秀吉が山の木の数を数える際に用いた方法と似ています。興味のある方は、『豊臣秀吉、山の木、本数』等をキーワードにして、検索してみて下さい。
(文責:三浦)
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