夏の背中が見えてきました。「本番まであと〇か月!」という言葉を聞いて焦りを覚えてしま小6ママ、パパも多いかもしれません。
じわじわと忍び寄る焦りとお悩みを少しでも解消できたら。そんな思いを込めて、中学受験算数指導歴30年の滝澤幹先生がお答えする「中学受験算数お悩み相談」をお届けします。
今回も、小6男子ママの池田さんと一緒に聞いていきたいと思います。
お悩み⑤過去問っていつからやるもの?
お悩み⑤
過去問って、いつから、どの程度やった方がいいのでしょうか?
うちの子の塾でもそろそろ過去問に取り掛かりましょうと言われているので、この相談私も気になります。
過去問の練習は、10月くらいから
過去問の練習は、10月くらいから取り掛かれるといいですね。
ということは、それまでに志望校を決めておいた方がいいということでしょうか?
そうですね。12月に、さぁ中学校を決めました、さぁ過去問やりましょうとなると、大変なことなので……。
それは、第一志望とかも決めた方がいいんでしょうか?
それはもっと先でいいです。どれくらい伸びるかはまだわからない時期なので。
10月の時点でちょっと無理めな志望校をもし目指していたら、どうしますか?
第2志望で押さえられるならいいんじゃないでしょうか。
なるほど。どちらも対策しておく、ということなんですね。
そうですね。
私も昔はいわゆる記念受験みたいなものはあまり良くないんじゃないかと思っていたんですけど、今は子どもの気持ちとしては受けたいのかな、と思うことが多いですね。
確かに、行きたかったらチャレンジしてみたいですもんね!
過去問は5年分は解いておこう
そうすると、過去問は何校分かやっておく必要がありますよね。だいたいどれくらいの量をやるものなのでしょうか?
過去問演習をどれくらいやるか、にもよりますね。例えば1校で5年分やるとしたら、4科目で、1校だけでテスト演習を20本分することになります。
そう考えると、かなりの量になりますね。
これを3校分やるなら、それだけで60本。
多いですね……。
解き直しとかをもう1回やった方がいいかもしれなかったら、その倍の120本になりますね。
さらに倍に……!
こう考えると、10月には志望校決めておかなきゃ、となるでしょう?
そうですね! 早く決めた方が何回も解き直しできますね!
そうなんです。早く決まった方がぜったいお得です。
うちの子が通っている塾では、もう過去問を始めましょうと先生に言われているんです。
今の時期ですか? それは早いですね。志望校の過去問をやれということ?
いえ、志望校は今の本人にとっては高いみたいなので、似た系列の過去問からやっていきましょう、という感じなんです。
なるほど。似た系統ですね。できるところから始めましょう、というのはいいと思います。
でも、早いですか?
先生によっていろんな考え方があるので、それはそれでいいと思いますよ。
よかった! では塾の先生を信じてやってみます!
実際のテストと同じフォントの過去問を入手するには
もう一つお聞きしたいことがあったんです。過去問って、実際のテストと同じフォントが使われているんでしょうか?
声の教育社さんが出されているような過去問の書籍に載っているものは、実際出されているフォントとは別ですね。
やっぱりそうなんですね。
実際に出されているフォントと同じ過去問がほしいなら、学校で3年分の過去問などを販売しているところが多いので、それを入手するのがいいかもしれませんね。
学校で売ってるんですね!
同じものを解けるとやっぱり安心ですよね。例えば武蔵中学やラ・サール中学なんかは、文字が手書きなんですよ。
え! 先生たちの手書きなんですか!?
そうなんです。
それはなかなか……癖がありますね(笑)
今年になって書体が変わったなぁ、書く先生が変わったんだな、みたいなのもあります。
面白い! 知れてよかったです!
あと、四谷大塚さんの「過去問データベース」というサイトがあるんです。これは実際に学校が出した問題が掲載されているから、いいかもしれません。
そうなんですね!
個人的に登録して調べれば、問題が出てきます。
最近ちょうど登録したので、見てみます!
相談⑤まとめ
<まとめ>
- 過去問にとりかかるのは10月が目安。それくらいまでに志望校が決まっていると良い。
- 志望校が3校あるなら、4教科×5年分×3校分で60本くらい解くつもりでいよう。
- 解き直しを行うならさらに倍で120本に。
- 実際に出されたフォントと同じ過去問を解きたい場合は四谷大塚さんの「過去問データベース」がおすすめ。
次回の相談は……
お悩み⑥
小6の夏休み、どう過ごせばいいでしょうか?
次回もお楽しみに!
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滝澤幹先生 プロフィール
滝澤幹(たきざわ・かん)
御三家筑駒中学受験専門塾にて指導歴30年。「算数の楽しさは正解だけではない」「すべての小学生に算数の難問を解く楽しさを知ってほしい」と思い、math channnelに参加。算数表現力ゼミを主催。共著書に『親子で楽しむ!中学受験算数』(平凡社刊)がある。