6つの問題で「植木算」をマスターしよう!図解でわかりやすく解説します/中学受験で必須!「植木算」を極める【その2】

こんにちは、みうらです。

前回は植木算の(その1)として「公式を覚えなくても間違いなく計算できる方法」を紹介しました。

今回は、植木算を使いこなせるようになる問題を集めました。
ぜひ問題を通して、植木算をマスターしましょう!

まずは、復習から。

復習問題を解きましょう

庭でヘビを見つけたことから思いつきました。ヘビの絵が下手なのはお許しを!

問題1)長さ10cmのヘビが20匹、1列におとなしく並んでいました。突然、誰かが「わぁ、ヘビだ!」と叫びました。驚いたヘビたちは前のヘビのしっぽを2cmずつ噛みました。先頭のヘビの頭から最後尾のヘビのしっぽの先までの長さは何cmになったでしょうか?

問題1解答)最後尾のヘビは誰にも噛まれないので長さは10cmのままで変わりません。

他の19匹のヘビは後ろのヘビにそれぞれのしっぽを2cmずつ噛まれるので、長さは8cmになります。したがって、新しい長さは以下の通りです。

    (8cm×19)+10cm=152cm+10cm=162cm

つまり、先頭のヘビの頭から最後尾のヘビのしっぽの先までの長さは 162cm になります。

植木算的には、各ヘビが区間(20区間)となり、かみつくしっぽが木を植える場所(19カ所=20-1)です。

次は、ちょっとだけ状況が変わります。

問題2)長さ10cmのヘビが20匹、輪の形におとなしく並んでいました。突然、誰かが「わぁ、ヘビだ!」と叫びました。驚いたヘビたちは輪の形のまま、前のヘビのしっぽを2cmずつ噛みました。輪の一周の長さは何cmになったでしょうか?

問題2解答)各ヘビは前のヘビのしっぽを2cm噛みます。噛んだ部分は各ヘビから2cmずつ減るので、各ヘビの長さは、10cm-2cm=8cmとなります。これが20匹のヘビに成り立つので、新しい一周の長さは、8cm×20=160cmです。

植木算的には、各ヘビが区間(20区間)となり、かみつくしっぽが木を植える場所(20カ所)です。

中級問題です

さて、少し難易度が上がります。チャレンジしてみてください。

問題3) Aさんは算数の計算問題250問を解くことにしました。50問を30分で解きます。50問解いたら5分休憩です。250問全部を解き終わるのにかかる時間は、何分ですか。

問題4) Bさんは長さ250cmの板を本箱の棚板にするため50cm幅に切ることにしました。50cm幅に切るのに30分かかります。50cm幅に切ったら5分休憩です。250cmの板を全部切り終わるのにかかる時間は、何分ですか。

2つの違いが分かりますか。それでは解答です。

問題3解答) 50問解く作業を、250÷50=5回繰り返します。ですから、全問題を解くのには、30分×5=150分かかります。休憩は4回(=5-1)取ります(ここが植木算!)ので、休憩時間の合計は、5分×4=20分です。ですから、250問全部を解き終わるのにかかる時間は、150+20=170分となります。

問題4解答) 50cmに切る作業を、250÷50-1=4回繰り返します(ここが植木算!)。ですから、木を切るのには、30分×4=120分かかります。休憩は3回(=4-1)取ります(ここも植木算!)ので、休憩時間の合計は、5分×3=15分です。ですから、250cm全部を切り終わるのにかかる時間は、120+15=135分となります。

数値は合わせてありますが、状況が違うので答えも微妙に違いましたね。

問題2は植木算を二重に使うところが味噌です。
問題1は自動車製造工場のようなベルトコンベアでの作業時間や生産台数の見積もりに適用できそうです。

定番の「のりしろ問題」に挑戦しましょう

次は、定番の「のりしろ問題」2問です。

問題5) 10cmの紙を23枚つなぎ合わせて1本のテープを作ります。のりしろの長さを均等にするとき、テープの全長を200cmにするには、のりしろの長さは何cmにすればよいでしょうか。

問題5解答) 4枚の紙のつなぎ合わせを考えてみましょう。重なる部分は3カ所です。この3か所ではみ出た部分がのりしろになります。

23枚並べると、10×23=230cmになり、30cm長くなります。重なる部分は22カ所ありますから、この22カ所で30cmをのりしろに使えばよいことになります。従って、

  のりしろの長さ=30÷22=15/11cm

となります。

問題6) 15cmの正方形の折り紙を、横100cm、縦50cmの長方形の紙に貼り付けます。折り紙の縦横は、長方形の縦横と平行に、のりしろをとって重ねて貼り付けことにします。できるだけ少ない枚数で張り付けると、のりしろ部分の面積は何cm2になるでしょうか。

問題6解答) 折り紙を横方向には7枚、縦方向には4枚並べ、のりしろをとって張り付けることになります。

はみだしは、横方向に、15×7-100=5cm、縦方向に、15×4-50=10cm です。これをのりしろにすると、図のように、のりしろは縦に6本、横に3本の筋状になっています。

この筋を左端と下方に移動させても面積は変わりません。

従って、

  のりしろ部分の面積=100×50-(100-5)×(50-10)=1200cm2

となります。これははみだしの長さだけを気にする問題でした。1本ずつののりしろの幅は無関係です。植木算らしくない問題でしたね。

今回はいろいろな問題にチャレンジしてもらいました。第3回ではさらなる植木算(的考え方)の活用例をご紹介します。お楽しみに。

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(文責:三浦章)

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この記事を書いた人

みうら(三浦 章)のアバター みうら(三浦 章) math channelマガジン数学博識王

国立市在住。東京工業大学大学院修士課程を修了後、通信キャリヤで30年ほど通信サービスの研究実用化に従事。15年ほど前に、大学教員に転身。情報システム、数学、問題解決フレームワーク等を教えてきました。5年ほど前から地元公民館で月2回程度市民向け数学教室も開催しています。近頃は数学的背景のあるパズルに興味があり、その内容の発信にも関心があります。博士号(工学)、高校教員免許(数学)あり。