便利で楽しい100円ショップには、算数・数学の体験に使えるアイテムもたくさん揃っています。
どんなアイテムをどのように使うと算数の体験遊びができるのかを、「算数のお兄さん」として活動する算数ゲームクリエーターのよしだしんやが、アイテム選びから使い方考案まで担当しました。
全3回連載の3回目です。
*1回目、2回目はこちら
六角形が面白い「ミラー風タイルシール」で遊ぼう
今回紹介するグッズは「ミラー風 タイルシール」です。
こちらはダイソーさんにて購入しましたが、セリアでも取り扱っているそうです。
袋を開けると六角形の形をしたタイルが7枚入っています。色は金色でいかにも子どもが好きそうな見た目ですね。
裏面はシール状になっていて、好きなところに鏡を取り付けることができるというグッズのようです。
このグッズで体験できる算数は、「図形の敷き詰め」と「かたちづくり」です!
タイルシールで遊べる算数(1)図形の敷き詰め
「図形の敷き詰め」とは、図形を隙間なく並べて平面を埋め尽くすワークです。
六角形で敷き詰めることができるのか、さっそく実験してみましょう。
まずはタイルを2枚くっつけて並べます。すると2枚の間の下にもう一枚のタイルかぴったりとはまりそうな感じがしてきます。
実際にはめてみると、ぴったりと隙間なくくっつきます。次は4枚目、5枚目…と並べていくと、どこまでも敷き詰めることができそうです。するとこの形、どこかで見たことありませんか?
そう、「ハチの巣」ですね!
実はハチの巣は六角形を敷き詰めてできる「ハニカム構造」という形からできています。なんだかとてもきれいに感じますね。
お風呂や床など身の回りのタイルを見てみると、「正方形」という四角形を使って敷き詰めていることが多いので、子どもにとっては六角形で敷き詰められている様子は新鮮なのではないでしょうか。
このタイルを敷き詰める操作は、図形問題を解くときの「角度の感覚」や「図形の一部をみて全体の図形をイメージする力」を養う練習になります。
ちなみに「図形の敷き詰め」は小学校の教科書でも扱われています。
この遊びで養われる力
- 角度の感覚
- 図形の一部をみて全体の図形をイメージする力
タイルシールで遊べる算数(2)かたちづくり
「かたちづくり」とは、タイルをならべていろんな形をつくるワークです。
まずはタイルを2枚用意します。六角形の辺と辺をぴったりくっつけて、どんな形がつくれるのか考えましょう。
回転させて一緒になる形は同じものと考えると、2枚の場合は横一列に並べる1種類のみですね。
次は3枚の場合を考えてみると、写真のように3種類が考えられますね。
(ここでは回転や反転させた形は同じ種類と考えています)
次は4枚の場合……といった感じで、枚数を増やして考えられる形をどんどん見つけてみましょう。
このように「色々な形を見つけていく操作」は、図形の感覚が養われるのはもちろんのこと、試行錯誤しながらすべての場合を漏れなく調べ上げることの練習にもつながります。
これは、算数では「場合の数」として大切な力とされています。いわゆる「何通りありますか?」や「何種類ありますか?」のような数え上げの問題ですね。
この遊びで養われる力
- 図形の感覚
- 場合の数
以上2つのワークを紹介しました。
六角形の形が何枚もある状況はなかなかないと思いますので、ぜひ購入して体験してみてくださいね!
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