こんにちは、うっつんです。
今日は、私が好きなルービックキューブに潜む算数について紹介したいと思います。
特に、算数は好きだけどルービックキューブは触ったことがないよという方やルービックキューブ興味はあるけど6面完成するのは難しそうという方にぜひ読んでいただきたいです。そういった方にもできるルービックキューブの遊び方も紹介します。
ルービックキューブと回転記号
まず、ルービックキューブの特徴とこれから使う回転記号というのを紹介します。
ルービックキューブはサイコロのように色の位置関係が決まっています。
特に、各面の真ん中にあるピースの位置関係は常に変わりません。

この特徴を活かして、通常ルービックキューブを回転させるときは白面を上に緑面を手前にして持つことが多いです。
今日の記事では全てこの持ち方からスタートします。

次に、回し方とその表し方について紹介します。上面(白の面)を上から見たときに時計周りに回す操作をUと表記します。
また、逆に反時計周りに回す操作をU’と書きます。
同様に、右面(赤の面)を右から見たときに時計周りに90度回す操作をR,反時計回りに表す操作をR’と書きます。
他にもF,L,D,Bとそれぞれ前、左、下、後ろの面をそれぞれ見たとき時計周りに90度回す操作とその逆周りに ’ をつける記号もありますが今回は使わないので覚えなくて問題ありません。


ルービックキューブとかけ算
さて、今回のメインテーマの「かけ算」について話していきます。
ルービックキューブの操作は全てかけ算を使って表すことができます。
例えば、右面を180度回す操作はRを2回行うため下のように表します。
R×R = R R = R2
かけ算の記号は省略されることがほとんどなのと同じ記号が続く場合は続く回数を後ろに書きます。(累乗を大きく書いているようなものです。)

さらに、右面を時計周りに90度回した(R)後、右面を反時計回りに90度回す(R’)すると元の状態に戻ると思います。これを完成形の状態をEとして
R R’ = E
と表します。
これは、通常の数で例えると2と2の逆数である$\frac{1}{2}$のかけ算が1になるような計算をしています($2\times \frac{1}{2} = 1$)。

また、下のような状態のキューブは右面を時計周りに90度回した(R)後、上面を反時計周りに90度回した(U’)状態です。

ではこの状態を元に戻すにはどうすればいいでしょうか。
答えは先ほどの動きを逆再生して上面を時計周りに90度回した(U)後、右面を反時計周りに90度回す(R’)ことで元に戻ります。これを式で表して、計算すると以下のようになります。
R U’ U R’ = R (U’ U) R’ = R E R’ = R R’ = E
上のようにパズルのかけ算でも結合法則が成り立ちます。
※結合法則とは、$(2 \times 3) \times 4 = 2 \times (3 \times 4)$のように数字の順番を変えなければかけ算をする順番はどこからでもよいという法則です。

このように、ルービックキューブではかけ算をすることができます。
一方で、数のかけ算と違うところもあり、交換法則は成り立ちません。
※交換法則とは、$2 \times 3 = 3 \times 2$のように数字の順番を変えても答えが一緒という法則です。
例えば、R U’ の順番を変えたものはU’ Rです下のような状態なので交換法則が成り立っていません。

ルービックキューブの遊び方
ルービックキューブといえば、6つの面のそれぞれを同じ色にするパズルを解くという遊び方を思い浮かべると思います。
それ自体も面白いのですが、今日はちょっと変わった遊び方を紹介します。
その遊び方というのは、「同じ操作を繰り返して、元の形に戻す」という遊びです。
ルービックキューブのかけ算には、数のかけ算では成り立たない性質が存在します。
それが同じ操作を繰り返すと元に戻るという性質です。
例えば、上面を時計周りに90度回した(U)という操作は4回行うと元の完成状態に戻ります(U U U U = U4 = E )。

これは直感的に分かりやすいのですが、下に示すR U R’ U’という操作を何回か繰り返してみてください。

正しく繰り返すと6回で元の完成状態に戻ります。
この操作はセクシームーブというルービックキューブを解くときにもよく出てくる回し方で、繰り返すことでルービックキューブをはやく解けるようにもなります。

続いて、先ほど出てきたR U’という動きを繰り返してみましょう。これは少し難しいのですが63回繰り返すと元に戻ります。
間違えてしまった場合は、ルービックキューブの公式サイトなどに攻略法が掲載されていますので、それを見ながら6面完成にも挑戦してみてください。

この遊びは動かし方や動かす面の数を変えると繰り返す回数が変化していきます。
この記事では、右面と上面しか動かしていませんがそのほかの面も動かしてみてください。
色々試してみると繰り返す回数に何か発見があるかもしれません。
ぜひこの探究活動にも挑戦してみてほしいです。
完成しなくても学べることはたくさん
ルービックキューブなどのパズルは、やり方を見ずに一人で完成させなければ学びにならないと思われる方がいるかもしれません。
それは勘違いで、やり方を見て解いたとしてもやり方を理解する、何度もやってみてやり方を少し工夫してみるなどに頭を使っています。
また、ルービックキューブでは6面完成まで行かなくても1面完成させるためにも考えることが必要です。
さらには、上で紹介した「同じ操作を繰り返して、元の形に戻す」という遊びからもパズルのかけ算の性質を学んだり、遊びを探究したりすることもできます。
ぜひ、ルービックキューブで遊んでみて様々なことを学んでみてください。

