「トリオ」や「オクターブ」という言葉に潜む算数言葉とは?

こんにちは、math channelのぬまちゃんです。

突然ですが、「トリオ」や「オクターブ」という言葉を聞いたことありますか?

実は、これらの単語には、算数にまつわる言葉が潜んでいます。
それを「数の接頭辞」と言います。接頭辞とは「単語のはじめにつく言葉」のことです。
具体的には、「トリオ」の「トリ」、「オクターブ」の「オクタ」に該当します。
これらは、「ギリシャ語」が由来であると言われています。

このような数の接頭辞は、日常で使われる言葉にもよく出てきます。

今回は、数の接頭辞について紹介します。
この記事を読んだ後には、数の接頭辞がつく単語の意味を算数的に理解できるようになります。

数の接頭辞の種類(1~10)

数の接頭辞には、すべての数について名前がつけられています。
ここでは、「1」~「10」の接頭辞を紹介します。

1…モノ
2…ジ
3…トリ
4…テトラ
5…ペンタ
6…ヘキサ
7…ヘプタ
8…オクタ
9…ノナ
10…デカ

先ほど出てきた単語の「トリオ」は、単語のはじめに「トリ」とついています。
上の対応表を参照すると、「トリ」は「3」という意味を表します。
このことから、「トリオ」という単語には「3」という意味が含まれていることになります。実際、「トリオ」とは3人組という意味です。

また、先ほど出てきた単語の「オクターブ」についても見てみます。
オクターブ」は単語のはじめに「オクタ」とついています。
上の対応表を参照すると、「オクタ」は「8」という意味を表します。
このことから、「オクターブ」という単語には「8」という意味が含まれていることになります。実際、「オクターブ」とは全音階で、ある音から8番目の音weblio辞典より)という意味です。

他にも、数の接頭辞を用いた単語は多く存在します。

数の接頭辞が使われている単語の例

例えば、テトリス」は、くっついたブロックが4つあるため、単語のはじめに「4」という意味の「テトリ(テトラに由来)」が使われています。

また、たこの英語名オクトパス」では、たこの足が8本あるため、単語のはじめに「8」という意味の「オクトが使われています。

さらに、音楽の授業で使われるトライアングル」では、角が3つあることから、単語のはじめに「3」という意味の「トライ(トリ)」が使われています。

海の近くにあるテトラポッド」は飛び出ている部分が4つあることから、単語のはじめに「4」という意味の「テトラが使われています。

最後に、モノクロ」は”1つの色”という意味から、「1」という意味の「モノが使われています。

数の接頭辞が使われた単語の意味の推測(応用編)

単語の仕組みがわかると、聞いたことない単語の意味も推測することができます。

例えば、ヘプタスロン」という言葉があります。
単語の頭に「ヘプタ」という接頭辞がついているので、「7」の意味がある単語だと推測できます。辞書で「ヘプタスロン」の意味を調べてみると「七種競技」という意味だと分かります。

ということは、オリンピックで行われた十種競技も、数の接頭辞を用いることができるとわかります。「7」という意味の「ヘプタ」の代わりに、「10」という意味の「デカ」を単語の頭につけると、デカトロン」となります。これは、十種競技の英語名となります。

このように、数の接頭辞から単語の意味を推測することができます。
さらに、数の接頭辞を変えることで別の意味の単語になることもあります。

おまけ(10より大きい数字の接頭辞)

10よりも大きい数の接頭辞もあります。
10~19の接頭辞を下に示します。

10…デカ
11…ウンデカ
12…ドデカ
13…トリデカ
14…テトラデカ
15…ヘキサデカ
16…ヘプタデカ
17…ヘプタデカ
18…オクタデカ
19…ノナデカ

何か法則に気づきませんか?
実は、13~19の数の接頭辞は、3~9の接頭辞に「10」を示す「デカ」を組み合わせたものになっています。「13」は「3」+「10」より、「トリ」+「デカ」で「トリデカ」となっています。14~19の数字も同様です。

まとめ

今回は「数の接頭辞」を紹介しました。
それぞれ数字には接頭辞があり、身の回りの多くの単語に用いられています。
他にも、数の接頭辞が用いられている単語が多く存在します。
ぜひさがしてみてください。

今回の記事を読んで、理解力を試したい方には、こちらの接頭辞クイズもどうぞ!

また、こちらのYouTube動画でも一部をまとめていますので、こちらもご覧下さい。

(文責:ぬまちゃん)

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この記事を書いた人

math channelマガジン編集長。東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 修了。文字を通じて算数の楽しさを伝えたいという思いでライターに。「なるほど!」と思えるような算数記事を届けるために奮闘中。math channelでは広報やワークショップ講師を務めている。