こんにちは! math channelのしっしーです。
今回のmath × Englishコラボ談義では、算数×英語質問箱と題して、算数英語についての疑問にお答えしていきたいと思います。
今回は数字に関わる疑問を3つ集めました! 英語を通じて算数の面白さを再発見してみましょう。
どうして13〜19を表す時に「-teen」を使うの?
まず、英語で20までの数字を何というかおさらいしてみましょう。
one, two, three, four, five, six, seven, eight, nine, ten, eleven, twelve, thirteen, fourteen, fifteen, sixteen, seventeen, eighteen, nineteen, twenty
13から19までの数字には「-teen」がついていますね。これはどうしてなのでしょうか?
辞書によると-teenは元々、ten(10)という意味だったそうです1。
なるほど、「-teen」と「ten」でつづりが似ていますね。
- 13はthree(3) + ten(10)でthirteen
- 14はfour(4) + ten(10)でfourteen
- 19はnine(9) + ten(10)でnineteen
というわけです。このように13〜19は規則的に考えられていたのですね。
考えてみると日本語でも「十三」「十九」など、11〜19の数は「十」に1〜9の数を足して数えますね。
ちなみに英語で11と12は? というと、別の語源からeleven (11)、twelve (12)という言い方をするようになりました。one + teenやtwo + teenとなれば、規則通りだったのですが……。
他の言語では?
ここで余談ですが、別の言語ではどのように表すのでしょうか? 私がこれまで勉強をしたことのあるドイツ語とフランス語を例として出したいと思います。
まずはドイツ語!
ドイツ語で「10」を表すのはzehn(ツェーン)です。
- 13はdreizehn(dreiドライ=3)
- 19はneunzehn(neunノイン=9)
1の位の数にzehn(10)を足した言い方をします。
ただし11はelf(エルフ)、12はzwölf(ツヴェルフ)となり、-zehnを足す規則には従いません。13から19までの数が10を足した表現で表されること、英語とそっくりですね!
ドイツ語と英語は同じゲルマン語派という言葉の種類に属しているため、似ている点が多くあると言われています。
次にフランス語を見てみましょう!
フランス語はゲルマン語派ではありません。
- 17はdix-sept(dixディス=10, septセットゥ=7)
- 18はdix-huit(huitユイット=8)
- 19はdix-neuf(neufヌフ=9)
と、17〜19までの数字にのみ、dix(10)プラス1の位の数で読むという規則が見られます。
英語から少し脱線してしまいましたが、同じような数え方は他の言語でもあるということ、面白いですね!
英語で「0」「零」のことを何て呼ぶの?
次の数字に関する疑問です。何もないことを「0」と言いますが、読み方を考えたことはあるでしょうか? 日本語では「零」(れい)ですね。それでは英語では…..?
答えはズバリ「zero」です。そう、「ゼロ」というのは英語から来た言葉です。簡単ですね!
これが一番シンプルな答えなのですが、実は「zero」の他にも英語には色々な言い方があるんです…..。
例えば電話番号などに出てくる0のことを「oh」(オウ)と読むことがあります。おそらく、形がアルファベットの「O」に似ているからですね。
また、イギリスでは「零」の意味で「nought」(ノート)という言い方も使われるそうです。日本人にはあまり聞き馴染みのない表現……驚きですね!
さらに、「ラブゲーム」という表現に聞き覚えはあるでしょうか? テニスや卓球をやったことがある人は聞いたことがあるかもしれません。
「ラブゲーム」は相手が1つも得点ができなかった試合のこと。実は「0」のことを「love」(ラブ)というスポーツ競技もあるんです……!
これには諸説ありますが、点数がとれなくてもスポーツを楽しむ(play for love)という考えに由来するのではないかと考えられるそうです2。日常生活で「0」のことを「love」ということはありませんので、安心してください!
英語で「百万」「十億」は何て呼ぶの?
さて、ここまで色々な数の読み方を学んできましたが、英語で大きな数は何と読むでしょうか?
英語では、大きな数は3桁ずつカンマで区切って読み、次の3桁にいく時に新しい単位が現れます。
まず1,000(千)はthousand(サウザンド)ですね。
10,000(万)はten thousand。日本語では「万」という単位がありますが、英語にはありません。代わりに、1,000が10個という表現をします。同じように、100,000(十万)は1,000が100個でhundred thousandです。
それでは1,000,000(百万)はどうでしょうか?
これまでと同じように1000が1000個でthousand thousand……?と考えるかもしれませんが、よく見てみてください。6桁終わったのでカンマがもう一つ出てきていますね。新しくカンマが出てきたので、thousandとは別の単位を使います。1,000,000(百万)はmillion(ミリオン)です。
テレビ番組などで「ミリオネア」(millionaire、百万長者)という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
millionは元々は「1000」という意味から来ているそうです3。thousandが1000個出てきている時はmillionだと考えると分かりやすいかもしれません。
ちなみに、算数では「ミリメートル」「ミリリットル」などの際に「ミリ」という単位が出てきますが、これも同じ由来。ミリは1000分の1を表す時に使う単位です。ご存じでしたか?
さらに、甘いもの好きの人にはたまらない「ミルフィーユ」。この単語も「千枚(ミル)の葉っぱ(フィーユ)」という意味からくるそうです。「ミルクレープ」も同じで、「千枚(ミル)のクレープ」。ミルクのクレープのことだと思い込んでいませんでしたか?
話を戻すと、1,000,000がmillionでした。このまま桁を多くしていって、次のカンマを登場させるとどうなるでしょうか? 1,000,000,000と9桁終わったところで、millionとは別の単語が単位として登場します。1,000,000,000(十億)はbillion(ビリオン)です。
ここまでの話をおさらいすると、英語では大きい数は3桁ずつ読みます! 次に大きな数に出会った時は、英語で何というか考えてみてくださいね。
英語で考えると新しい発見が
算数×英語質問箱、いかがだったでしょうか? 今回は「-teen」「0」「百万」「十億」などの言い方についての疑問にお答えしました。 新しい発見があったのではないでしょうか?
次回も算数×英語の素朴な疑問にお答えしようと思います。お楽しみに!
参考資料
(1) Oxford Dictionary of English, 2nd Edition
(2) https://www.merriam-webster.com/wordplay/word-origin-of-love-in-tennis
(3) ジーニアス英和大辞典
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