Octoberは8の接頭辞「oct」がついているのに、なぜ10月!?月名の語源はローマ暦にあった!

こんにちは、math channelのぬまちゃんです。

前回は、数の接頭辞を紹介しました。
また、数の接頭辞が使われている身の回りのものも合わせて紹介しました。

その中でも、前回の記事では、
「トリ」は「3」、「オクタ」は「8」という意味があることを紹介しました。

数の接頭辞が使われている身の回りのものは前回の記事で紹介したもの以外にもたくさんあります。

今回は、「〇月を表す英単語」と「数の接頭辞」の関係性を紹介します。

Octoberに秘められた謎

英語を勉強すると出てくる英単語「October」。「〇月」を表す英単語です。
Octoberは何月でしょうか…?
Octがついているので8月!と思いそうですが、実は「10月」を表す単語なのです。

Octoberは、Octがついているのになぜ10月を示すのでしょうか?

それは、遥か昔にさかのぼります。
紀元前46年まで、ローマ暦が使われていました(現在はグレゴリオ暦が使われています)。
ローマ暦では、一般的に3月が年始だとされていました(現在は1月が年始となっています)。
3月から数えて8番目(oct)の月が10月なので、Octoberは10月を示すようになりました。

・ローマ暦では3月始まりだった。
・10月は3月から数えて8番目(oct)の月なので、10月がOctoberと呼ばれるようになった。

9月、11月、12月の由来は!?英単語と数の接頭辞の関係

9月や11月、12月を表す英単語と数の接頭辞の関係はあるのでしょうか?

先ほど同様ローマ暦を考えると、
9月は3月から数えて7番目であるので、7を表す接頭辞ヘプタが使われていると推測できます。
同様に、11月は3月から数えて9番目であるので9を表す接頭辞ノナ、12月は3月から数えて10番目であるので10を表す接頭辞デカが使われていると推測できます。

しかし、9月はSeptember、11月はNovember、12月はDecemberと表されます。
数の接頭辞は見当たりません。
9月、11月、12月は数の接頭辞とは関係ないのでしょうか。

実は、9月、11月、12月も数の接頭辞に関係しています。

今まで紹介した数の接頭辞はギリシャ語に由来するものを紹介してきました。
ラテン語に由来する数の接頭辞もあります。

1…uni
2…bi
3…ter
4…quadri
5…quinque
6…sexa
7…septa
8…octa
9…novem
10…decem

すると、英単語に出てきた数の接頭辞が表れました。

ローマ暦では、9月は3月から数えて7番目であるので、7を表す接頭辞septaが使われています。
同様に、11月は3月から数えて9番目であるので9を表す接頭辞novem、12月は3月から数えて10番目であるので10を表す接頭辞decemが使われています。

このように、実は、9月、11月、12月を示す英単語も数の接頭辞に関係していることがわかります。

9月、11月、12月を示す英単語は、ラテン語に由来する数の接頭辞に関係している。

ギリシャ語に由来する9という数の接頭辞はenneaと表されますが、現在身の回りで使われている機会が少ないため紹介を割愛し、ラテン語に由来する数の接頭辞であるnona(ノナ)を紹介いたしました。

ラテン語の種類により数の接頭辞の表し方が異なるため、別の数の接頭辞の表し方としてnovemをラテン語に由来する数の接頭辞として今回紹介いたしました。

1月~8月を表す英単語と数の接頭辞の関係は?

1月~8月を表す英単語と数の接頭辞の関係はあるのでしょうか?

1月~8月を表す英単語は以下のようになります。
・1月…January
・2月…February
・3月…March
・4月…April
・5月…May
・6月…June
・7月…July
・8月…August

1月~8月を表す英単語をみると、
ギリシャ語に由来する数の接頭辞やラテン語に由来する数の接頭辞は出てきません。

実は、1月~8月を表す英単語と数の接頭辞には関係がありません。

諸説ありますが、1月~8月を表す英単語は、
神・女神の名前や皇帝への敬意が由来となっています。

まとめ

今回は、「〇月を表す英単語」と「数の接頭辞」の関係性を紹介しました。

・1月~8月を表す英単語は、数の接頭辞と関係がない。
・9月~12月を表す英単語は、数の接頭辞と関係がある。

数の接頭辞は他にも身の回りのものに使われています。
ぜひ探してみてください。

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(文責:ぬまちゃん)

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この記事を書いた人

math channelマガジン編集長。東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 修了。文字を通じて算数の楽しさを伝えたいという思いでライターに。「なるほど!」と思えるような算数記事を届けるために奮闘中。math channelでは広報やワークショップ講師を務めている。