ポケモン「メガシンカ」の「メガ」って何!?~数の接頭辞にまつわる雑学その3・大きい/小さい編~

こんにちは。math channelのぬまちゃんです。

老若男女に人気のキャラクターの1つに「ポケモン」があります。


最近、ポケモンのさらなる進化形態として、ポケモンを「メガシンカ」させられることをご存じでしょうか?「メガシンカ」とは、バトルの限られた間だけとてつもない力を発揮するという現象です。

例えば、ミュウツーというポケモンを「メガシンカ」させるとメガミュウツーXやメガミュウツーYに進化させることができます。

この「メガシンカ」の「メガ」とはどういう意味なのでしょうか?

「メガ」って何?!

実は、「メガ」は、通常の100万倍を示す接頭辞なのです!
なので、言葉通りに考えると、メガシンカしたポケモンは通常のポケモンの100万倍の力を発揮するということになります。

本当にそんなに大きく強い力を発揮するのでしょうか……?
ミュウツーを例にとると、メガミュウツーXのこうげき力はミュウツーのこうげき力の約1.7倍になります。
メガミュウツーYの場合、とくこうがミュウツーのとくこうの1.1倍になります。


(参照:ミュウツー→メガミュウツーX→メガミュウツーY)

ということなので、メガミュウツーはミュウツーの100万倍の力を発揮することはなさそうです……。

しかし、「強くなる」という意味で「メガ」という言葉が使われているみたいです。

他にも、マクドナルドのハンバーガーの「メガマック」やスポーツくじの「MEGA BIG」などにも「メガ」という接頭辞が使われています。
いずれも100万倍の意味として使われているものは少なく、「大きな数」という意味で用いられていることが多いです。

100万倍の大きさを示す接頭辞である「メガ」。
この言葉以外にも、10倍や100倍、1000倍、あるいは10億倍などの大きさを示す接頭辞もあるのでしょうか?

大きさを表す接頭辞

「大きい」接頭辞

大きな大きさを示す接頭辞は以下のようにたくさんあります。

10倍:デカ(da)
100倍:ヘクト(h)
1,000倍:キロ(k)
1,000,000倍(100万倍):メガ(M)
1,000,000,000倍(10億倍):ギガ(G)
1,000,000,000,000倍(1兆倍):テラ(T)
1,000,000,000,000,000倍(1000兆倍):ペタ(P)
1,000,000,000,000,000,000倍(100京倍):エクサ(E)
1,000,000,000,000,000,000,000倍(10垓倍):ゼタ(Z)
1,000,000,000,000,000,000,000,000倍(1じょ倍):ヨタ(Y)

10倍のデカ(da)は、第1回目の接頭辞紹介記事でも紹介しました。

ヘクト(h)は、中心の気圧が1012hPa(ヘクトパスカル)といったように、天気予報で聞くことが多いと思います。
気圧の単位であるPa(パスカル)の100倍の単位であるhPa(ヘクトパスカル)としてよく使われています。

キロ(k)は、km(キロメートル)kg(キログラム)などによく使われます。

ギガ(G)とテラ(T)は、4GBや4TBのようにUSBメモリハードディスクなどの容量によく使われます。

ペタ(P)やエクサ(E)、ゼタ(Z)、ヨタ(Y)は身の回りで使われる機会は少ないですが、接頭辞として存在しています。

反対に、小さな大きさを示す接頭辞もあるのでしょうか?

「小さい」接頭辞

小さな大きさを示す接頭辞は以下のようにたくさんあります。

1/10倍:デシ(d)
1/100倍:センチ(c)
1/1,000倍:ミリ(m)
1/1,000,000倍(100万分の1倍):マイクロ
1/1,000,000,000倍(10億分の1倍):ナノ(n)
1/1,000,000,000,000倍(1兆分の1倍):ピコ(p)
1/1,000,000,000,000,000倍(1000兆分の1倍):フェムト(f)
1/1,000,000,000,000,000,000倍(100京分の1倍):アト(a)
1/1,000,000,000,000,000,000,000倍(10垓分の1倍):ゼプト(z)
1/1,000,000,000,000,000,000,000,000倍(1じょ分の1倍):ヨクト(y)

デシ(d)は、かさを示す単位リットル(L)の1/10の単位としてdL(デシリットル)が使われています。

ミリ(m)は、mm(ミリメートル)mg(ミリグラム)などによく使われています。

マイクロ(µ)やナノ(n)は、µm(マイクロメートル)やnm(ナノメートル)のように長さで用いられることが多いです。髪の毛の太さがだいたい50~100 µm、ウイルスの大きさがだいたい50 nmと言われています。

ピコ(p)、フェムト(f)、アト(a)、ゼプト(z)、ヨクト(y)は、身の回りで使われる機会は少ないですが、接頭辞として存在しています。フェムト(f)はレーザーの種類として使われます。

意外と身近に使われている!

今回は、ポケモンの「メガシンカ」の話から「メガ」という言葉に着目し、大きな大きさを示す接頭辞や小さな大きさを示す接頭辞を紹介しました。

意外と身近に使われている接頭辞が多いと感じられたかもしれません。

接頭辞を使った言葉は他にもたくさんあるので、ぜひ探してみてください!

接頭辞についてはこちらの記事&動画もどうぞ!

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この記事を書いた人

math channelマガジン編集長。東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 修了。文字を通じて算数の楽しさを伝えたいという思いでライターに。「なるほど!」と思えるような算数記事を届けるために奮闘中。math channelでは広報やワークショップ講師を務めている。