中学受験算数指導歴33年の滝澤がおすすめする算数パズル!~入試に出題されそうなペントミノパズルの遊び方を紹介します!~

こんにちは。中学受験算数ナビゲーターの滝澤幹です。
今回は、中学受験算数指導歴33年の滝澤がおすすめする算数パズルである「ペントミノパズル」の遊び方を紹介します。

パズルを使った問題をいろいろと考えています!

2025年の入試問題の中で、印象的だった問題の1つに開成中学の長方形を並べるパズル問題があります。これは、長方形の中に小さな長方形をつめて、ルールにしたがってポイントを決めるといった問題です。

開成中学で出題されたパズル問題の図

これは似たような問題を出す中学が今後出てくるかもしれないと思い、中学受験でも出題されそうなパズルについて調べました。そこで出会ったのがペントミノです。

ペントミノとは

ペントミノとは図のように同じ正方形5つを辺に沿ってつなげた形です。裏返したり回転させたりして重なるものを同じ種類であると考えるとペントミノは全部で12種類のピースがあります。

今回は、テンヨーの「永久に遊べるパズル 脳ブロック」のペントミノを購入していろいろと遊んでみました。テンヨーさんの「永久に遊べるパズル 脳ブロック」のサイトはこちらです。

Tenyo
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12種類のピースはそれぞれ、アルファベットの形に見立てて、上の段の左から順に、

F、L、N、P、Y、Z、

下の段の左から順に、

I、T、U、V、W、X

と呼ぶこともあります。こうすると覚えやすいですね。

ここで1つクイズです。

ちなみに、上段と下段はある理由によって2グループに分けたのですが、どんな理由で分けたかわかりますか?

図形を見る上でとても大切な視点で、この発想を使う図形の入試問題も非常に多いのです。少し考えてみてください。

それでは答えを言います。それは線対称であるかないか、です。下段の形はすべて左右対称になっていますね。

実際にペントミノで遊んでみた……が

さて、これらをつかってパズルをするのですが、もっとも一般的なものが、これを6×10の長方形に詰めるというパズルです。こんな具合です。

なんと、この詰め方は、回転させたり裏返したりして重なるものを1通りと考えたうえで、全部で2339通りも答えがあるそうです。
こんなに答があるんだから見つかりそうですよね。テンヨーさんのサイトでも、難易度は下から2番目のレベルのようです。さっそくやってみましょう……。

しかしこれがなかなか難しい。私はこれでも中学受験算数の指導歴33年の算数の専門家でパズルも得意でありたい……ところなんですが、10分15分ではなかなかできません。

最後の1つがはまらない……。

もっと簡単な遊び方はないだろうか。

これはできると楽しいのでしょうけど、最初はなかなか難しいと感じました。

なかなか難しい。


例えば入試問題の題材にするには、あまりにも時間がかかりすぎます。
しかも入試問題では実物をさわれる訳ではなく、紙と鉛筆を使って考えなければなりません。
もっと簡単に遊べないものか?

半分の6ピースで遊んでみよう。

そこでまず、このパズルがなぜ難しいのかを考えました。そこでまず気づいたのが、「ピースが多すぎる」ということです。

そこで、半分の6ピースで、6×5の長方形を作るのは、簡単なのではないか?

これをやってみると、小学生でも10分弱でいくつか答えを見つけることができました。
私が担当している中受算数良問講座でプリントを早めに終わらせてしまった生徒が考えてくれたのが次の2つです。答はもっともっとありそうです。

これなら十分入試問題としても出題できそうですね。
これに慣れて、ある程度いろんなパターンができるようになれば、元々の6×10の長方形に12種類のピースをすべて詰めるパズルにも改めて挑戦できるのではないでしょうか。

挑戦してみよう。

ペントミノは正方形5個をつなげたシンプルな形なので、自作でも簡単につくることができます。
そしてこの遊び方なら、決して簡単すぎることはなく、ちょうどよい難易度と時間で試行錯誤を楽しむことができそうなので、自分としては気に入っています。

さらに発展的なパズルへもつなげていけそうです。もしよかったら挑戦してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

タッキー先生(滝澤 幹 たきざわ かん)
中学受験算数ナビゲーター

御三家筑駒中学受験専門塾にて指導歴30年。「算数の楽しさは正解だけではない」「すべての小学生に算数の難問を解く楽しさを知ってほしい」と思い、math channnelに参加。算数表現力ゼミを主催。共著書に『親子で楽しむ!中学受験算数』(平凡社刊)がある。

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この記事を書いた人

御三家筑駒中学受験専門塾にて指導歴30年。「算数の楽しさは正解だけではない」「すべての小学生に算数の難問を解く楽しさを知ってほしい」と思い、math channnelに参加。算数表現力ゼミを主催。